A House Divided Advanced Game rules 上級ゲームルール 上級ゲームルールは、"A House Devied"のシミュレーション性(現実的性)を向上させるルールとメカニズムを追加するルールです。このため、上級ゲームは基本ゲームより難易度が少し増すので初心者向きではありません。上級ゲームのルールは相互に独立しているので、基本ゲームに個別にでも、まとめてでも追加することができます。 補給  軍隊は食べなければならない。将軍は補給を勘定したり、傷病、脱走に対応しなければならなかった。 プレイヤーは自軍の部隊駒が補給下にあるかプレイヤーターンの最初に判定します。1部隊駒が単独で1ヶ所の「箱」にいる場合は、その部隊駒は自動的に補給下です。もし2個以上の部隊駒が1ヶ所「箱」に置かれているなら、その部隊駒は補給線が引けるか、徴発する必要があります。  補給線:部隊駒が他の自軍「新兵募集都市」と繋がっている「新兵募集都市」に存在するなら、その駒は補給下です。部隊駒が「新兵募集都市」に位置していない場合は、他の自軍「新兵募集都市」に補給線が繋がりっていて、その都市自身が補給下なら、補給下です。補給線の長さに制限はありませんが、友軍支配下の「箱」と友軍支配の鉄道/河川を通過して引けなければなりません。港に存在する北軍部隊駒や港に補給線が繋がる北軍部隊駒は自動的に補給下です。  補給切れの効果:もしプレイヤーターンの始めに補給切れの部隊駒がある(つまり、1ヶ所の「箱」に2駒以上存在し、徴発ができない、または補給線が引けない)なら、所有プレイヤーが選んだその「箱」の中の1部隊駒が全滅します。 移動と指揮  南北戦争は、ゆっくりと始まった。しかし初期の南軍は戦争全体的にイニシアチブで優勢であった。(大きな理由は、大半の南部支持者が南北戦争以前は軍の士官であったことにある)。しかし北軍は戦争が進にしたがって、全体の指揮能力を改善していった。一方、その当時劣勢な南軍の兵站組織は鉄道システムの修理能力の不足と北軍騎兵隊の急襲に悩まされ、修羅場と化していた。  このルールを使うときは基本ルールの移動ルールを次のように変えて使用します。プレイヤーターンの移動のとき、プレイヤーはサイコロを振り、「指揮能力表」を参照します。サイコロの目とゲームの現在の年と交差する所に、そのプレイヤーターンの「行進」の数が見つかります(8ページ、指揮能力表[Command Table]参照) 士気能力表 サイの目 1861 1862 1863 1864 1865 1 2/2 2/3 2/3 3/3 3/2 2 2/3 2/3 3/4 3/3 4/3 3 2/3 3/4 3/4 4/4 4/3 4 3/4 3/4 4/5 4/4 5/4 5 3/4 4/5 4/5 5/5 5/4 6 4/5 4/5 5/6 5/5 6/5 #/# : 北軍士気能力値/南軍士気能力値 牽制  いろいろな場所で"静的"牽制状態は戦争の終わりまで続いた。孤立地帯の北軍は、南軍の港湾に上陸作戦で侵攻し占領した部隊であった。そして、それら部隊の目的は南部連邦経済を積極的に封鎖し、窒息させることにあった。これはウィンフィールド スコット将軍立案の"アナコンダ作戦"であった。  南軍プレイヤーは上陸作戦で失った「港湾」を再占領する代わりに、北軍部隊の牽制を試みることができます。このためには、南軍部隊を北軍が上陸作戦で占領した「港湾」(Fort MorroeとPensacoleを含む)に移動し、戦闘の代わりに敵を牽制することを宣言します。北軍上陸作戦部隊を牽制する南軍部隊駒は「港湾」に敵を含んでいても塹壕を構築できます(塹壕ルールの例外)。以後、牽制状態では、もし一方が他方を攻撃するなら、攻者は自身の安全な塹壕を離れなければならないため、続く戦闘で-1の塹壕の効果が得られなくなります。  北軍部隊駒が牽制されている「港湾」から進出する場合、その前に南軍牽制守備隊を戦闘で撃破する必要があります。この戦闘は北軍ターンの移動セグメントの開始時に発生し、「行軍」を消費します。もし、北軍が勝利したなら「港湾」内の北軍部隊駒は移動セグメントに自由に移動し(部隊駒の消費可能な2つの「行軍」の内の1つを消費したことになるが)、戦闘セグメントで戦うことができます。 沿岸防衛  上陸作戦が易しいとは誰も言わない。南軍は前線で必要としているのと同じ位、多くの兵員を港湾守備隊として駐留させていた。しばしは彼らは駐留地の近くに上陸した北軍兵士相手に戦っていた。  沿岸防衛砲兵と他の港湾守備隊の存在を反映して、それぞれ南軍の「新兵補充港湾都市」は上陸作戦(のみ)に対する防衛能力を有します。北軍部隊駒が上陸作戦を行うときは、最初に沿岸守備隊(とそこに存在する南軍部隊駒)を撃破する必要があります。守備隊は1つの部隊駒とみなされ、戦闘中の2つの命中で除去されます。守備隊は北軍の上陸作戦でその都市が攻撃された時のみ戦闘に参加しますが。移動したり、退却することはできません。守備隊は常時塹壕に入っているとみなされます(他の「港湾」にいる南軍部隊駒は通常の「行軍」を消費して塹壕に入ります)。北軍プレイヤーは守備隊だけを撃破しても「昇進」でいません。しかし、通常の南軍兵力が参加した戦闘に勝利すれば「昇進」できます。 ワシントン占領  南軍のワシントン占領は、必ずしも戦争終結に直結していなかった。このルールでも、南軍がワシントンを占領し、しかも他の地域で大きく敗退していない限り、南軍は戦争に勝利できるでしょう。そして、一時的な占領でも北軍全体の士気に恒久的な影響を与えることができます。  南軍はワシントンを占領しても自動的に勝利することはない。ただちにサイコロを1個振り出た数だけ北軍の「最大動員人数」を減らします。もし、1が出たとしても2減らせる。北軍がワシントンを再占領しても「新兵補充」ポイント(1ポイント)しか「最大動員力」に加えることができません。 戦闘と指揮能力表  現在のような無線連絡のない19世紀の軍隊はめったにお互い部隊を統廃合しませんでした。特に開戦当初の北軍は、しばしは南軍に数で勝っていても、通常の数の優位を有効に使う指揮能力が欠乏していました。  戦闘は1日単位で行います。1日は4戦闘ラウンド(8ページの戦闘日記録トラック参照)で構成されます。「戦場の指揮能力」はそれぞれ戦闘の始めに(その日の第1戦闘ラウンド)決定します。それぞれのプレイヤーがサイコロを1つ振り、分けて表示してある「指揮能力表」(8ページ参照)の結果の数が、その日の戦闘ラウンド中に攻撃参加できる部隊駒の数を表しています。翌日(1日以上)の開始時に、それぞれのプレイヤーは指揮能力表でサイコロを振り、ここで得られた値に前日までの「戦場の指揮能力」の1/2だけ(端数切り上げ)を加えて、その日の「指揮能力」を決定します。ただし、それぞれのの側では最大8ユニットまでしか戦闘ラウンドで攻撃参加できないことに注意すること。  例えば、1862年の戦闘では、北軍プレイヤーはサイコロを振り4を出し、「戦場の指揮能力」3となります。このため北軍部隊は最初の4ラウンドの間(つまり初日)は最大3ユニットでしか攻撃できません。この戦闘が5ラウンドまで続いたと仮定すると、北軍プレイヤーは「指揮能力表」でサイコロを振ります。もしこのとき1を振ると5〜8戦闘ラウンド(2日目)の指揮能力は4(この日のサイコロの目から得られる2に、前日からの繰り越しの2を加える)となります。もし、この戦闘が9ラウンドに入ったなら更に指揮能力決定のサイコロを振ります。もし北軍プレイヤーが5を振ると北軍の「戦場の指揮能力」は6(当日のサイの目から4、加えた2は前日の繰り越し)で9〜12戦闘ラウンドを戦ことになります。  上級ゲーム選択ルール  上級ゲーム選択ルールは時間と労力を最大限に使って、可能な限りゲームの細部を再現するための追加ルールです。  戦場の士気、脱走、と指揮官のルールが戦闘の雰囲気(とサイコロを振る機会)を多く加えると同時に、南北戦争最大に"if" である、南軍隣接州からの多くの支援と外国の干渉の可能性の2つを追加します。    戦場の士気  敵プレイヤーが射撃した戦闘ラウンド終了後、新しく裏になった部隊駒は士気チェックをしなければいけません。完全戦力、または全滅した部隊駒と以前の戦闘ラウンドに減少戦力になった部隊駒は士気チェックの対象外です。士気チェックは対象の部隊駒毎にサイコロを1個振り、部隊駒の士気値(8ページの士気値表参照)と比較して結果を決定します。もし、サイコロの目がその部隊駒の士気値より大きいなら、その部隊駒は"潰走"し、減少戦力面(黒)を上にして地図上の戦闘している「箱」に戻します。潰走中の部隊駒は戦闘に参加できない上に、戦闘の勝敗に関して全滅したと見なします。要塞、塹壕の中にいるユニットは士気チェックのサイコロの目から1減じることができます。  士気回復:4戦闘ラウンド終了する毎(つまり1日が終了する毎)に次の日の戦闘ラウンド開始前に、両軍は士気チェックに失敗し、潰走したユニットを1つ回復することができます。  脱走と落後者:戦闘終了後、両軍は脱走と落後者の影響を決めるサイコロを振る必要があります。全dての減少戦力(黒い面)ユニットは脱走チェックをしなければないけません。脱走チェックはそれぞれの減少戦力ユニット毎にサイコロを1個振り、部隊駒の士気値と比較します(8ページの士気値表参照)。もしその部隊駒の士気値よりサイコロの目が大きいなら、その部隊駒は脱走の影響で全滅します。脱走チェックのサイコロの目は次の状況で修正されます。  もし、そのユニットが戦闘に負けた側なら:+1  もし、そのユニットが潰走していなければ:-1           (戦場の士気ルール参照)  一緒にいる友軍指揮官の指揮能力だけマイナス:-X  士気値表 士気値 部隊の種類  5 精鋭部隊  4 熟練部隊  3 1862年以降の未熟兵部隊  2 1861年の未熟兵部隊 指揮官  名将は優れた運命によって創られる。勝敗は適材適所によって決まるわけではありませんが、しばしば適切な時、適切な場所にに舞台裏で適切に導かれる必要があります。多くの将軍は既にゲーム中に表現されていますが、"A House Divided" のような戦略レベルのゲームでは、両軍の数人の指揮官とその評価で南北戦争中のその当時の軍隊の戦闘能力を非常にうまく再現できます。  "A House Divied"では、リー(Lee)、グラント(Grant)、シャーマン(Sharman)の3指揮官がゲームに参加します。それぞれの指揮官にユニットに書かれている数値がその指揮官の指揮能力です。両面に日付(月/年)が書いてある指揮官駒は登場するターン(表側)、又は状態が変わるターン(裏側)を示しています。状態の変化は指揮官毎に違うことを表しています。リーは右腕だった「石壁」ジャクソン将軍が戦死したことにより指揮能力の低下を表しています。グランととシャーマンは当時の彼らの階級が昇進したことにより、より自由度の大きな指揮官になることによる指揮能力の増加を表しています。 指揮官と移動  指揮官は同じ「箱」の部隊駒と一緒に通常通り移動することができます。指揮官は海上輸送や上陸作戦、又は戦闘の増援として同じ「箱」の他の部隊駒と一緒に追加の「行進」を消費することなしに移動できます(普通、指揮官は戦闘の増援としては単独で移動する)。または、指揮官駒はスタックしている他の駒とは独立して移動することができます。指揮官は「行進」を消費することなく、2つ分の「行進」を計画できます。指揮官は他の部隊ユニットの移動に影響を与えません。 指揮官と戦闘  それぞれの指揮官駒に書かれている数値は2つのことを示しています。1つはそれぞれの戦闘ラウンド友軍の射撃の戦闘力に数値を加えれること、もう1つはそれぞれの日の「戦場の指揮能力」の合計に加えれること(もし上級ゲームルールを使用していうなら)です。指揮官は影響を与える戦闘に参加していなければいけません。指揮官が戦闘に増援として登場すると、直ちに指揮官の効果が得られるようになります。指揮官がそれぞれの戦闘ラウンド中の友軍駒の射撃に指揮能力を使う場合は、ユニットが射撃する前に宣言する必要があります。指揮官はその能力値を全てを1つの部隊駒に加算しても、2駒以上(リーの場合は3駒)に分けて加算することもできます。  例えば、現在のリー将軍の指揮能力は3です。3つの南軍ユニットが戦闘開始時にリー将軍と一緒に射撃準備中です。3個の南軍部隊駒それぞれの戦闘力を1高めるか、1駒の戦闘力を3高めるか、1つの駒の戦闘力を2つ、別の1駒の戦闘力を1つ高めるかして、射撃することができます。指揮官の指揮能力による加算は全ての戦闘ラウンドで加算できることを忘れないようにしてください。  上級ゲームルールの指揮能力表を使うとき、戦場に存在する指揮官の指揮能力をその日の「戦場の指揮能力」の総計に加えることができます。1戦闘ラウンドの最大参加部隊数の8駒は今まで同様効果があります(つまり、指揮官がいると最大参加部隊数に非常に早く到達することができるようになります)。  グラントとシャーマンは同じ戦場では指揮能力の効果を累積することができます。指揮官は敵部隊駒と一緒の「箱」に単独でいると、捕らえられるが全滅はしません。指揮官は次の「新兵募集セグメント」に復帰します。 指揮官と脱走  脱走士気チェックするユニットは、戦場にいる士気能力の数値だけ、そのサイコロの目から減らすことができます。 南部連邦隣接州の支援強化  南軍は北部の隣接州から多くの支援を受ける可能性がありました。軍事的、政治的状態が現実の戦争中より良くなっていたなら、このようなことが起きたかもしれません。  南軍プレイヤーターン開始時に、南軍がミシシッピー州(St. Joseph, Spring field, St. Louis)、ケンタッキー州(Bowling, Green, Louisville)、メイランド州(Baltimore)のどれかの州で州内の全ての「新兵募集都市」を支配しているなら、南部連邦隣接州の支援表(8ページ参照)をその州で振ることができます。もし、必要数より大きなサイコロの目がでたなら、南軍未熟兵に相当するユニットを「新兵募集プール」に追加します。このイベントは1回のゲーム中各州毎に1回だけ起きます。そして、追加された未熟兵ユニットはゲームの残り期間、南軍の使用可能ユニットとして残ります。 南部連邦隣接州の支援表   隣接州 支援必要値 ミシシッピー州   3 ケンタッキー州 1 メイランド州   6  サイの目修正  +1 : 南軍と北軍の「最大動員数」の差が5以内  +1 : 1861年中にサイコロを振る場合  +1 : ワシントン D.C.を南軍が支配している場合  +1 : 1862年を越える1年毎 (つまり、1863年 : -1, 1864年 : -2, 1865年 : -3 )  -1 : 両軍の「最大動員数」の差が10を越えている  -1 : リッチモンドを北軍が支配している場合 外国の干渉  南軍は希望的観測に基づいた、ヨーロッパ列強からの干渉を想定した計画も立案していました。南軍はこのイベントの引き金になるような強烈な印象を与える軍事的勝利を達成することがありませんでしたが、今や、南軍プレイヤーは気晴らし的なこの歴史的可能性を実現する努力をすることができます。  外国の干渉は、南軍がもし次の3つの条件を満足した状態で始まった南軍ターン中に戦闘に勝利した場合のみ実現します(幸運を!)。  1. 南軍と北軍の「最大動員力」の差が3以内  2. 南軍が北軍新兵募集ポイントが2以上の都市を少なくとも1つと、ワシントン D.C.を支配している。  3. 新兵募集ポイント2以上の南軍都市が北軍に支配されていない、または支配されている1つの都市毎に1つの新兵募集ポイントが2以上の北軍都市を支配している。  もし、上記条件を全て満足している南軍プレイヤーターンの始めに外国の干渉が引き起こされ、以下の効果が表れます。  1. 南軍は海上輸送(ポトマック河の横断と上陸作戦は可、河川の跳躍移動は不可)ができるようになります。  2. 南軍プレイヤーは4つの外国干渉部隊駒をヨーロッパ(地図端)に受け取れます。これら部隊は南軍海上輸送でアメリカに輸送します。この部隊駒は南軍の「最大動員数」に数えませんし、「昇進」もしません。もしこの部隊駒が撃破されたなら、南軍新兵募集セグメント各外国干渉ユニット毎にサイコロを振り5,6が出たときに配置できます。その部隊駒はヨーロッパに配置され、後のターンの海上輸送でアメリカに戻ってくることができます。 1998.06.02 Translated by Kazuhiro Ueda