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1976 Starship Troopers

Robert Heinlein's Starship Troopers [AH]

Robert Heinlein's Starship Troopers was published by Avalon Hill Game Company (AH) in 1976. The game was designed by Randall C. Reed. This game is exactitude simulation for surface battle in Heinlein's war.

 日本において"Robert Heinlein's Starship Troopers"といえば、早川書房が出版している「ロバート・A・ハインライン著、矢野 徹訳のヒューゴー賞受賞小説『宇宙の戦士』」だと思う。この小説の描く世界観には賛否両論あるが、オープニング/エンディング曲を"つのだひろ"が歌うOVAや、ハリウッド映画になっている。OVAは敵がBugに見えず、映画は機動歩兵がただの歩兵に見えて残念だった。それは加藤直之のカバーイラストと挿絵の影響かもしれない。

 このゲームは「宇宙の戦士」におけるジョニーら機動歩兵とバグ(Bug)との戦術戦闘を非常にまじめにシミュレーションしている。機動歩兵(地表)とバグ(地下)の違いを原因とする戦術レベルの差異が、異星人との戦闘である感じさせてくれる良いゲームである。このゲームのルールは、当時のAvalon Hill社が積極的に導入していたプログラム学習方式を採っている。また、General誌上にカードを用いたシナリオ作成方法を提示するなど、斬新なシステム検討がなられていたことが伺える[1]。ゲームのスケールが1人1ユニットとなっているため、Up Front系のシステムを用いるのが良いと思われるが、1970年代は戦術スケールのシミュレーション黎明期であり、その後のGunslinger [AH]、Squad Leader [AH]やUp Front [AH]等に優れた影響を与えたと考えたゲームの1つと考えれば、その存在の位置づけも明確になる。

 "Board Game Geek"での評価は6.6。古典Sci-Fiゲームとしてはかなり高い。しかし、ボックスアートのアメリカ的チープさが早川SF文庫のイラストとのギャップを大きくし、国内ではマイナスに働いた気がする。私がB3の頃、大学近くのアーケード・ゲーム店に、何故かこのゲームが備え付けられていた。友人たちと眺めてはいたがプレイしなかった。当時は時間だけはあったので、今よりはるかにこのゲームを楽しめたろうと思うと残念である。

 Fig. 1は私が持っている"Robert Heinlein's Starship Troopers"である。ルールの最後の3頁に小説を思わせるような写真があったり、裏箱の隅にハインラインのサインが印刷されている等、当時のAvalon Hill社の力の入れようが伺える。ゲーム自体の紹介はB級SFゲーム分科会が参考になる。


Fig. 1 Game components of "Robert Heinlein's Starship Troopers"
The signature of Heinlein is printed on the back box.

Reference

[1] A. Hendrick: General #15, pp.24 (No.1) (1978).
  Translation by M. Takahashi : TACTICS Mgz. Jpn. No. 3, pp. 21 (1982).


3. Other Sci-Fi Games
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