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GENERAL Vol.21(No.2)の解答

The GENERAL Vol.21(No.2) Contest#119

 問題No.119はアップフロンの確率に関する応用問題です。問題はアメリカ軍の勝利につながる5種類の行動から、成功率が最も高い行動を見つけることです。次に5つの実行可能なオプションに関する解析結果を示します。


Aグループ前進:35点

 Pvt. Watson (#10) の回復にヒーローカードを使用し、Aグループを距離チット2に前進させます。この場合、移動中のアメリカ軍グループに地形が配置される前にゲームが終了しない場合に限り、5勝利ポイント獲得の可能性があります。アメリカ軍が自軍ター終了(4.5)時に手札を補充しない場合、ドイツ軍がゲームを終了するために処分するデッキに4枚のカードを残せます。この選択ではドイツ軍の手札の内容とアメリカ軍の移動への対応だけが結果に影響します。ドイツ軍がデッキを使い切るための行動や4勝利ポイント獲得のための行動は、ドイツ軍の勝利に帰着します。相対距離4のドイツ軍Aグループは10火力29枚の射撃カードが使用可能であり、他のヒーローカードを持っている十分な幸運があれば、14火力37枚の射撃カードが使用できます。これら射撃カードは、攻撃解決ためのRNC値に関係なくゲームを終了のために使用可能です。更に、16枚ある回復2以上のカードを、ドイツ軍がAグループで使用した場合、結果として少なくとも4勝利ポイントをドイツ軍は獲得できます。これには他のヒーローカードとの組み合わせで同じ効果が得られる6枚の回復1カードが含まれていません。また残り合計10枚のヒーロー、回復1、狙撃兵カードは、どの様な組み合わせでも、狙撃兵攻撃解決のRPCとしてカード2枚を使い、ドイツ軍の手札補充のためにカードが2枚引かれるため、デッキを消費しきるには十分です。デッキから取り除かれた5枚の建物カード、使用されている5枚の地形カードとアメリカ軍プレーヤーの手札6枚のカードを考慮しても、ドイツ軍の5枚の手札の中に、確実に勝利できるカードが1枚ある可能性が45/146もあり、ヒーロー、回復1、狙撃兵カードの組み合わせの影響無しに勝利できる可能性が約85%あります。したがって、この行動によりアメリカ軍が勝利する可能性は15%より小さいと考えられます。

 正解がなんであれ、アメリが軍プレーヤーのターンでゲームが終わっていることは明確に保証できます。

回復と射撃:50点

  次の選択は回復カードを使いPvt. Watson (#10) を回復させ、枯れ谷から視認できる唯一の目標である相対距離5の建物にいるCグループを射撃力1で射撃できるようにヒーローカードを使うことです。この行動の場合、アメリカ軍ターン終了時に手札を補充するとゲームは終了します。そして確実に得られる勝利ポイントはPvt. Watson (#10) が回復したことによる1ポイントだけです。黒3以上を引き、 Pvt. Wolf (#10) をピン状態(ドイツ軍の2勝利ポイントを減らす)にする可能性は16.5%ですが、79.2%で全く効果がありません。ドイツ軍が手札のヒーローカードでPvt. Wolf (#10) を直ちに非ピン状態にする、隠蔽カードで射撃力を減らす、またはPvt. Bernhoff (#06) が潰走し1勝利ポイントしか得られない可能性を近似的に計算する前でも、この選択で勝利に必要な3勝利ポイントを獲得できる可能性が20%無いことが示されています。

ヒーローと捨て札:60点

 第3の選択は、Pvt. Watson (#10) にヒーローカードを使い確実に1VPを獲得し、そして狙撃兵カード(と他のカード)を捨て札にして、BグループのPvt. Beck (#07) を狙撃することです。狙撃兵攻撃の解決のために引くRNCとアメリカ軍の手札補充により、デッキの最後のカードまで使いきることができます。0, 1 のRNCを引く可能性は49.4%あり、この場合のゲームは16対15でアメリカ軍の敗北となります。しかしRNCで 2,3 を引く可能性は30.9%、4, 5, 6 を引く可能性は19.8%あり、潰走や負傷となり1VPしか獲得できない場合は27%で発生します。KIAで2VP獲得の可能性は23.7%であり、この場合は17対16でアメリカ軍が勝利します。

第4の選択:95点

 第3選択の類形であるが、Pvt. Watson (#10) にヒーローカードで回復し、狙撃兵カードを捨て札にして、Bグループの代わりにAグループへの攻撃を選択します。Aグループへの攻撃は、非ピン状態の兵士をピン状態にすることで(ドイツ軍に直ちに使えるヒーローカードが無いとして)積極的行動で得られるドイツ軍VPを2減らせること、KIAの場合は出入4VP(ドイツ軍-2VP,アメリカ軍+2VPなり相対的に4VP変化する)が得られることから、Bグループへの攻撃より明らかに優れた選択です。狙撃兵が非ピン状態の兵士を攻撃した(確率50%)場合、負傷による1VP獲得の可能性も1.4%増加します。しかし、ピンによる2VP獲得の可能性は30.9%もあり、KIAによる出入4VP獲得する可能性も18.3%あります。一方、狙撃兵がピン状態の兵士を攻撃した場合は、負傷と潰走による1VP獲得の可能性は24.3%であり,、KIAによる2VP獲得の可能性は26.3%です。正味、狙撃兵でAグループを攻撃した場合に出入3VP以上でアメリカ軍が勝利する可能性は37.8%です。

正解:100点

 BグループとCグループのどちらも同じ距離チットにあり、ピン状態/非ピン状態の兵士の比率が同じで、ピンの結果で同じVPを失うのであれば、最良の選択はCグループを狙撃兵で攻撃することです。狙撃兵攻撃で引かれるRNCの確率は同じです。違いはピン状態の兵士のパニック値にあります。Pvt. Bernhoff (#06) は高いパニック値(Aグループのピン状態の兵士のパニック値は2か3であるのに対して6)のため、小さな潰走(1VP)の可能性とパニック/KIA(2VP)の高い可能性が、結果として非常に不利に働きます。正味、狙撃兵でCグループを攻撃した場合に出入3VP以上でアメリカ軍が勝利する可能性は40.4%です。狙撃兵攻撃が失敗する可能性は49.4%で常に一定であり、引き分けやアメリカ軍勝利の可能性も大きいですが、単純に勝利の可能性が最も高いのはドイツ軍です。


 問題図にRNCが表示されていないため、確率を計算する際、見えているアクションカードに基づいてRNCを引くの確率を補正することは、ほぼ全てのプレーヤーの能力を超えていると考えられたので試みていません。

Up Front Quiz#1 in The GENERAL Magazine
3. Game Quiz

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