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暗黒星雲の拡充
Increase the quantitiy of the Dark Nebula
"Dark Nebula"は、2つの恒星間国家が国境で小競り合いする様を、インペリウム・システムのSeries 120ゲームとして機能させている。しかし、国境で小競り合いをコンパクトなゲームに仕上げているため、規模のある恒星間国家間の戦争に見えない。"Dark Nebula"と"Imperium"の両方を知るプレーヤーは、ほぼ必ずといつて良いほど、Dark Nebulaのユニット数をImperiumと同じサイズに拡張して、規模の大きな戦争をシミュレーションすることを考える。ここでは私が考えた「拡大版ダークネビュラ」を紹介する。
「拡大版ダーク・ネビュラ」は、"Dark Nebula" 2nd editionルール[1]を元にしているが、"Dark Nebula" 2nd edition出版後に発売された"Imperium" 2nd editionで変更されたルール[2]と、「インペリウム セカンドエディション」2019の日本版のローカル・ルール[3]を採用している。ここでは「ダークネビュラ」のルール[4]を元にして記述した。
1.0 コンポーネント
B. ユニット(変更)
アスラン勢力とソロマニ勢力のユニット数を表1に示す。ユニットをコピーして作成する必要がある。戦闘機(F)と母艦(MS)は、Imperium/インペリウムから流用しても良い。中立勢力のカウンター数に変更は無い。中立勢力のカウンター数を表2に示す。建造費、徴用費の単位はRUである。
表1 ユニット 一覧表
略号 | 種類 | 建造費 | ソロマニ勢力 | 数 | アスラン勢力 | 数 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
PD | 惑星防衛システム | 10 | 防御力2 | 3 | |||
RT | 一般兵 | 2 | 3 3 3 4 4 4 4 5 5 5 | 10 | 4 4 5 5 5 6 6 | 7 | |
JT | 降下兵 | 3 | 4 4 7 7 | 4 | 3 4 5 6 | 4 | |
AT | 戦車兵 | 3 | 7 8 | 2 | 7 8 | 2 | |
TR | 輸送艦 | 1 | 0-0-1[1] | 11 | 0-0-1[1] | 11 | |
AO | タンカー | 2 | 0-0-1[1] | 2 | 0-0-1[1] | 2 | |
EX | 探査艦 | 10 | 3-4-3[2] | 2 | 3-3-3[2] | 2 | |
SC | 偵察艦 | 1 | 0-2-1[1] | 11 | 1-1-1[1] | 11 | |
DD | 駆逐艦 | 3 | 0-4-1[2] | 11 | 2-2-2[2] | 11 | |
CL | 軽巡洋艦 | 6 | 5-2-3[3] | 11 | 5-2-4[3] | 11 | |
CS | 打巡洋艦 | 10 | 5-8-5[4] | 11 | 3-9-5[4] | 11 | |
CR | 重巡洋艦 | 12 | 7-2-6[4] | 6 | 6-6-6[4] | 11 | |
CA | 超巡洋艦 | 14 | 7-4-5[4] | 5 | |||
B1 | ド級艦 | 13 | 9-10-9[5] | 6 | 9-8-9[6] | 6 | |
B2 | ド級艦改 超ド級艦 | 7 14 | 3-10-9[6] - | 11 - | - 10-8-9[5] | 6 | |
BB | 戦艦 | 15 | 12-9-9[5] | 5 | |||
MS | 母艦 | 7 | 0-0-1[1] | 1 | 0-0-2[1] | 2 | |
F | 艦載機 | 1 | 1-2-2[1] | 12 | 2-1-2[1] | 11 |
表2 中立勢力のユニット 一覧表
略号 | 種類 | 建造費 | 徴用費 | ユニット数 |
---|---|---|---|---|
PD | 惑星防衛システム | 10 | - | 防御力2x7 |
RT | 一般兵 | 2 | 1 | 戦力2x3 戦力3x2 |
JT | 降下兵 | 3 | 2 | 戦力3 戦力4x2 |
AT | 戦車兵 | 3 | 2 | 戦力5 戦力8 |
TR | 輸送艦 | 1 | 1 | 0-0-1[1]x4 |
M | モニター艦 | 6 | 1 | 8-0-7[3] 8-0-8[3] 0-8-8[3] 8-2-7[3] 2-8-7[3] 9-2-7[3] |
2.0 星域マップ(変更なし)
3.0 ゲーム(変更なし)
4.0 プレイ手順(変更なし)
5.0 移動
ハイパースペースジャンプ(追加)
母艦は補助艦艇である(敵の移動を阻止できない)。注意点として、母艦に積載された戦闘機は、敵の移動を阻止できない。これは母艦の積載している戦闘機が発着艦できるのは、宇宙戦闘サブフェイズの各戦闘ラウンド開始時のためである。
燃料補給(変更)
タンカーは、第3種星系で移動を終了すると、同じ星系内の味方宇宙艦に、直ちに燃料を補給することができる。燃料補給を受けた移動を終了してない宇宙艦は、第3種星系から移動することができる(移動を終了したタンカーと一緒に第3種星系に移動してきた宇宙艦は、タンカーから燃料補給を受けて、第3種星系から出ることができる)。タンカーと同じ第3種星系で移動を終えた宇宙艦は、後の戦闘フェイズで退却する場合、タンカーと一緒に第3種星系から出ることができる。
宇宙艦の移動は、タンカーを最初に移動させた方が良い。 その後、他の宇宙艦を1ユニットだけ移動させる。宇宙艦1ユニットの移動が終了してから、次の宇宙艦ユニットを移動させると良い。
輸送(明確化)
宇宙艦ユニットは、味方の星系ヘクス(惑星地表ボックスに味方のユニットがある星系か、本拠地星図内の星系)ではいつでも惑星地表ボックスに積み荷の積み降ろしをすることができる(輸送艦は恒星ヘクスにいた状態で、惑星地表ボックスに積み荷の積み降ろしする)。
積み荷を非友好星系ヘクス(惑星地表ボックスに敵ないしは中立のユニットがある星系か、敵本拠地星図内の星系で味方ユニットが居ない星系)で降ろす時の、恒星ヘクスから惑星地表ボックスへ移す行為は、戦闘フェイズの惑星地表/宇宙インタラクションサブフェイズで行わなければならない(輸送艦が惑星地表ボックスに移る)。
惑星地表ボックス上の宇宙艦が恒星ヘクスに移るのは、移動フェイズ、その星系での宇宙戦闘を解決する宇宙戦闘サブフェイズと惑星地表/宇宙インタラクションサブフェイズである。移動フェイズは恒星ヘクスに移り、ジャンプ移動することができる。宇宙戦闘サブフェイズはその宇宙戦闘に参加できる。
6.0 戦闘
宇宙戦闘サブフェイズ(変更)
近接攻撃: 近接攻撃の目標となる艦は、完全なビーム力で防御射撃を行える(短距離ミサイル射撃で防御射撃することはできない)。短距離ミサイル射撃は通常の射撃しかできないため,近接攻撃に生き残った場合に限り、目標の1ユニットを射撃することができる。
複数目標(選択ルール): 1ユニットの宇宙艦が複数の宇宙艦から攻撃を受ける場合、1度に戦闘を解決するのではなく、1ユニット毎に攻撃を解決することを選択できる。この場合、目標となった宇宙艦は攻撃してきた宇宙艦に反撃できる。反撃できるのは攻撃してきた宇宙艦に対してのみである。戦闘結果は同時に適用する。 複数の宇宙艦の目標となった宇宙艦が撃破されるか、複数の宇宙艦での攻撃できる宇宙艦が無くなるか、反撃終了まで繰り返す。目標となった1ユニットの宇宙艦が反撃できる回数の上限は、その宇宙艦の整備値迄である。整備値と同じ回数まで反撃したら、反撃終了となる。反撃終了となった目標の宇宙艦は、以後、一方的に攻撃されるだけである。複数目標を選択すると、攻撃目標を選択できないことに注意すること。
ユニット数の増加に合わせて、収入を増やして、規模だけが大きくなるようにデザインした。しかし、元のDark Nebulaより小型艦の数による優勢が大型艦の質を上回っていると感じている。そこで大型艦の質がもう少し出るように選択ルールを入れた。
惑星地表/宇宙インタラクションサブフェイズ(明確化)
宇宙戦闘の後、恒星ヘクスに残った宇宙艦は、その星系の惑星地表ボックスを攻撃できる。星系の惑星地表ボックスが既に味方のものである場合は、そのまま惑星地表ボックスに移れる(以後、上陸と呼ぶ)。味方のでなければ(中立を含む)、爆撃を行い、惑星地表ボックスからの惑星防御射撃を受けた後に上陸する。惑星地表ボックスにいる宇宙艦は、恒星ヘクスに移れる(以後、離陸と呼ぶ)。尚、惑星地表ボックスにいる宇宙艦は、移動フェイズ中に離陸し、ジャンプ移動して星系を離れることもできる。
惑星防御射撃: 惑星地表ボックスの惑星防御射撃は、惑星地表ボックスを支配している勢力だけが利用できる。サブフェイズ開始時に両勢力の地上部隊が混在している惑星地表ボックスは、どちらの勢力の支配下にないため、惑星防御射撃はできない。
惑星爆撃: 惑星地表ボックスは、これを撃破したり、無力化することはできない(惑星爆撃の目標としても無意味。つまり、惑星爆撃の目標とならない)。
地上戦闘サブフェイズ(明確化)
非支援下の地上戦闘: 地上戦闘サブフェイズ開始時に、惑星地表ボックスに一方の側が非地上軍しか持っていないときは、地上軍を持っている側の勝利で地上戦は終了する。その惑星地表ボックスの敗者のユニットは全て除去される。非地上軍ユニットの枚数に関係なく除去されることに注意すること。
リアクション戦闘フェイズ(明確化)
リアクション戦闘フェイズには幾つかの制限が課せられる。リアクション移動フェイズに含まれたユニットのみ(同フェイズでは1スタックしか動けない)が、リアクション戦闘フェイズで戦闘に参加できる。もし、リアクション部隊が他の友軍ユニットが既に存在している星系に入ったら、その星系に存在する友軍ユニット(地上ボックスに配置された宇宙艦が戦闘に参加するかは任意である)も攻撃に参加できる。リアクション部隊は可能な戦闘(宇宙戦闘、惑星爆撃、地上戦闘)ならどのようなものでも行える。
7.0 宇宙艦(追加)
- 母艦(MS)は戦闘機の輸送と発着艦が可能な宇宙艦である。1ユニットの母艦で3ユニットまでの戦闘機を積載でき、1戦闘ラウンドに全艦載機の発進と収容ができる。母艦が整備不良状態となった場合、艦載機も整備不良になる。各宇宙戦闘ラウンドの開始時に戦闘機の発進と収容がきでる。発進せず、母艦に留まっている戦闘機は、戦闘中は無視される。発進した戦闘機ユニットはそれぞれ個別に扱う。母艦の建造費に戦闘機ユニットは含まれない。母艦は戦闘機しか輸送できない。
建造費: 7 RU - 戦闘機(F)は戦術戦闘を主眼に開発された小型の宇宙艇である。亜光速移動もジャンプ移動もできないが、他の宇宙艦により輸送することができる。戦闘機が活動するには基地が必要である。母艦と自軍支配の惑星地表ボックスは、戦闘機の基地機能を有する。戦闘機は各戦闘ラウンドの戦闘距離を決定する際に、戦闘に参加している宇宙艦数の数に含めない。
建造費: 1 RU - 超ド級艦(B2)はドレッドノート(ド級艦)を改良した宇宙艦である。
建造費: 14 RU - ド級艦改(B2) 3-10-9[6]は、辺境星域の防衛を目的に再設計されたドレッドノート(ド級艦)である。このため、文明地における整備で支払う整備費が額面の半分(3 RU)で済む(その代わりに、他のB2よりも額面の数値が低い)。しかし、辺境地のおける整備では、額面の整備値を用いること。
建造費: 7 RU
8.0 地上戦力(変更なし)
9.0 惑星防衛マーカー(追加)
惑星防衛マーカーは、1つの惑星地表ボックスに1枚しか配置できない。
10.0 マーカー(変更なし)
11.0 経済
収入(変更)
支配下の第1種、第2惑星地表ボックスが収入源である。支配下とは、その惑星地表ボックスに地上戦力/惑星防衛システムが味方勢力単独でいる必要がある。敵勢力地上戦力/惑星防衛システムがいる場合は、支配していることにならない。例外: 星印、円、三角形のマークが描かれた惑星地表ボックスは、敵勢力地上戦力/惑星防衛システムが単独でいる場合を除いて、常に元の勢力の支配下にある。また宇宙艦ユニットだけを置いても支配したことにならない。
接続を確認する惑星地表ボックスから首都星系までのジャンプ・ルートの途中に、タンカーと輸送艦を除く敵宇宙艦が存在する星系(恒星ヘクスと惑星地表ボックス)がない場合、その惑星地表ボックスは接続していることになる。接続を確認する惑星地表ボックスと首都星系はジャンプ・ルートの途中にある星系ではない。
戦闘の結果は、予算に影響しない。
収入源の詳細を表3に示す。
表3 収入表
条件 | 収入 |
---|---|
予算 | 25 RU |
首都星系と接続している支配下の第1種惑星地表ボックス | 10 RU |
首都星系と接続してない支配下の第1種惑星地表ボックス | 4 RU |
首都星系と接続している支配下の第2種惑星地表ボックス | 2 RU |
支配下の第1種惑星と接続している支配下の第2種惑星地表ボックス | 1 RU |
整備(明確化)
文明地おける整備: 3-10-9[6]のB2は、額面通りの整備値の50%に相当する3 RUを消費するだけ良い。
辺境地における整備:ド級艦改(3-10-9[6]のB2)は、額面通りの整備値を使って、辺境地のおける整備(サイコロを振る整備)をする。
文明地おける回復: 3-10-9[6]のB2は、額面通りの整備値に1 RUを加えた7 RU消費すると整備不良から回復する。
生産(明確化)
新造ユニットは味方の首都星系、あるいは首都星系と接続している味方の第1種/第2種星系に配置する。宇宙艦は、星系ヘクスの何処においても良い(つまり惑星地表ボックスか恒星ヘクスどちらか、または両方に)。他の部隊は惑星地表ボックスに置かなければならない。惑星防衛システムマーカーは、未設置の状態で登場する。そして移動フェイズ中に設置予定ヘクスまで動かすことができる。連絡のつく星系の恒星ヘクスや惑星地表ボックスに敵ユニットが存在しても、生産されたユニットは連絡のつく星系の惑星地表ボックス又は恒星ヘクスに配置できる。
12.0 ダークネビュラ/Dark Nebula (変更なし)
13.0 中立の星系
生産(追加)
徴用中に撃破された中立勢力ユニットは、同盟国が建費用を支払うことで、普通のユニットと同じように生産できる。生産されたユニットは、元の星系に置かれる。中立状態で撃破された中立勢力ユニットはゲームから永久に除去され、(生産されて)再登場することは無い。
14.0 プレイ準備(アスラン―ソロマニ国境戦争)
プレイの準備には、5つの段階がある: 陣営の決定、ユニット種分け、マップ配置、中立の配置、初期配置である。
陣営の決定
変更なし。
ユニット種分け(変更)
表1に従ってユニットを種類毎に分け、担当する陣営の地上部隊と宇宙艦ユニットを受け取る。
マップ配置(変更なし)
中立の配置(変更なし)
初期配置(変更)
各プレーヤーともに99 RUを受け取り、最初の部隊を購入する。B1を購入しなければB2を購入できない。初期戦力としてBBは購入できない。購入したユニットは全て配置できる。
プレーヤーは本国星図(アスラン勢力はAslan Hierate、ソロマニ勢力はSolomani Quadrant )に存在する全星系を支配下に置いている。プレーヤーは最初に、支配下にある星系ならどこにでも、自分のユニットを配置できる。恒星ヘクス/惑星地表ボックスのどちらにも配置できる。アスラン勢力プレーヤーが先に配置し、ソロマニ勢力プレーヤーが次に配置する。
ゲームの開始(変更なし)
15.0 勝利条件(変更)
ゲームは勝利条件を満して終戦するまで続く。勝利条件は各プレーヤーターン終了時に判定される。
各プレーヤーは、相手の首都星系(恒星ヘクスと惑星地表ボックスの両方)を、連続して2プレーヤーターンの間、支配下に置いていれば、敵勢力が降伏し、そのプレーヤーが勝利をえる。プレーヤーは首都星系を支配下に置いた状態であるプレーヤーターンを開始し、その状態でそのプレーヤーターンを終えるのでなければ、そのプレーヤーターンの間、目標を支配下に置いていたことにはならない。
References
[1] Dark Nebala rules booklet (GDW: 1983).
[2] Imperium rules booklet (GDW: 1990).
[3] Imperium rules booklet (Kokusai-tushin Co., Ltd.: 2019).
[4] Dark Nebala rules booklet: RPGamer Jpn. Ed. No. 9 (2005).
1. Imperium
付録B ダークネビュラ
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