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第2章 射撃力と射撃の効率

射撃の効率と射撃力の効率の違い

 1998年にDash's Clinic:UpFrontを公開したときに、『射撃の解析に射撃の効率が考慮する必要があるのではないでしょうか?』との質問を受けたことがある。そのときは、射撃の効率とは、射撃力と火力の変換効率ではないので、射撃可能なカードを引く確率として考慮した、と答えたのを覚えている。
 この答えは、射撃の効率と射撃力の効率は同じでは無いと言っているのだが、では、『射撃力の効率』と『射撃の効率』の違いを定義する必要が生じる。『射撃力の効率』は火力を射撃力に変換する効率と定義できる。しかし、『射撃の効率』となると、1回の射撃アクションを実行するときに考慮する要素は、自身のグループサイズ、火力/射撃力、地形と、敵の地形、隠蔽、グループサイズ、平均モラル、回復状況がある。さらにゲーム全体で見ると、射撃の必要性と頻度も、要素になると考えられる。これら全てを考慮した効率となり、定義はできても、実際に評価することは困難である。
 そこで、過去に検討された射撃力や射撃の効率[1-3]を再評価するとともに、どのような評価法が適切か検討した。
 ここに書くべきが、迷うところであるが、私は火力や射撃力の効率はあまり重視する必要はないと考えている。最高の効率の部隊を配置したとしても、プレイ中の不幸な事故で1兵士がKIAになることにより、最低の効率の部隊になる場合も、その逆もあるからである。
 私はUP FRONTでに一番重視しなければならないのは、カードの回転効率だと考えている。射撃は回転効率からすると、大きい火力グループが効率の良いものになる。一方で、人数の多いグループはその火力を100%発揮することや移動が難しいため、効率が低くなる。つまり少ない人数で大きな火力を得る、射撃耐久性のある多数の兵士で大きな火力を得ることが、カード回転から求められる効率である。これに関しては次章で述べる。

射撃力の効率

期待射撃力

 Table 2.1に見慣れた、必要火力(Firepower Factor)別に射撃力(Fire Factor)カードの枚数を示す。Table 2.1の各平均射撃力は各火力欄の射撃力を算術平均し、射撃の評価数値にしたものである[1]。
 得られた評価数値が何を表すか考えてみる。火力1の場合は1火力で射撃できる平均射撃力になる。火力2の場合は、必要火力2の射撃カードの平均射撃力となる。実際は火力2の射撃グループは必要火力1の射撃カードを用いる場合もあるので、この評価数値では、射撃力と火力の評価数値として十分でない事が分かる。

Table 2.1 The Number of Fire cards and Average of Fire Factor

Firepower FactorsFire Cards Average FireFirepower FactorsFire Cards Average Fire
1 1 1 2 1.33 10 4 5 4.50
2 1 1 2 1.33 11 4 5 4.50
3 1 1 2 3 1.75 12 4 5 4.50
4 1 1 2 3 1.75 13 5 6 5.50
5 1 2 3 2.00 14 5 6 5.50
6 2 3 2.50 15 5 6 7 6.00
7 2 3 4 3.00 16 6 7 6.50
8 2 3 4 3.00 17 6 7 8 7.00
9 3 4 3.50 18 6 7 8 7.00

 Table 2.1によれば、必要火力に対する射撃力は単調増加している。そこで、必要火力[FP : Fire Power]と射撃力[FF : Fire Factor]をプロットした結果をFig. 2.1に示した。+が各射撃カードの値であり、oが平均値である。射撃力の必要火力依存性を1次関数(2変数)で最小二乗フィッティングした結果をFig. 2.1中に破線で示した。[FF]= 0.482 + 0.366*[FP] : 標準偏差σ(Standard Deviation)=0.734となった。近似を高めたるため関数の次数を上げた。2次関数(3変数)の場合の結果をFig.1中に実線で示した。フィッテング結果は、[FF]= 0.823 + 0.258*[FP] + 0.00565*[FP]^2 : SD= 0.722となった。フィッティング変数の数の適正を評価する、AIC(赤池の情報基準:Akaike's Information Criterion)を計算すると、この場合の標準偏差の減少は、フィッテング変数を1個増やした影響と評価された。このため、直線近似で十分であることが確認できた。この結果、射撃力の火力依存性は、次式で表される。

 [FF] = 0.482 + 0.366*[FP] ----(式2.1)


   Fig. 2.1 Relationship between Fire Factor and Fire power
A solid line and a broken line show the results of fitting by a 2rd order polynomial and line. 

 次に考えられるのが、グループで射撃可能な必要火力の射撃カードの射撃力の平均を評価数値として得る方法が考えられる。この結果をTable 2.2に示す[1]。
 この場合は、得られた評価数値は1枚の射撃カード当たりの平均射撃力となっている。つまり最も頻度多く射撃した場合に期待できる射撃力である。しかし、複数枚の射撃カードで射撃する場合の効果が含まれていないことが、評価数値として十分ではない。

Table 2.2 Fire Factor Average of the Cards that can be Fire

Firepower Factors Sum FireSum Cards Average Fire Firepower Factors Sum FireSum Cards Average Fire
1 4 3 1.33 10 67 29 2.31
2 8 6 1.33 11 76 31 2.45
3 15 10 1.50 12 85 33 2.58
4 22 14 1.57 13 96 35 2.74
5 28 17 1.65 14 107 37 2.89
6 33 19 1.74 15 125 40 3.13
7 42 22 1.91 16 138 42 3.29
8 51 25 2.04 17 159 45 3.53
9 58 27 2.15 18 180 48 3.75

 Table 2.2でも、Table 1.1同様に、射撃力の火力依存性を評価した。その結果をFig. 2.2に示した。1次関数で最小二乗フィッティングした場合、
 [FF]= 0.976 + 0.143*[FP] : SD= 0.107 ----(式2.2a)
となり、2次関数の場合は、
 [FF]= 1.25 + 0.0615*[FP] + 0.00427*[FP]^2 : SD= 0.0343 ----(式2.2b)
となった。この場合は、2次関数で評価する方が確かなので、射撃力の火力依存性は、(式2.2b)で表される。


Fig. 2.2 The Fire power dependence of Total average of Fire Factor
A solid line show the results of fitting by a 2rd order polynomial. 

 では1回の射撃で期待できる射撃力についてまじめに計算してみる。デッキの枚数をN枚とし、近似的にデッキ枚数の減少を無視する。またX枚を同時に使える確率は正確には(N-X)!/(N!)だが、計算を容易にするため1/N^Xで近似すると、各火力での射撃力の期待値は次のようになる。尚、ここでは必要火力をFP、射撃力をFFと表示した。

     = 1.33/N (FF/枚) ----(式2.3)

     =1.33/N + 2.66/N^2 (FF/枚) ----(式2.4)

     =1.50/N + 2.50/N^2 + 4.00/N^3(FF/枚) ----(式2.5)

     =1.57/N + 2.85/N^2 + 4.00/N^3(FF/枚) ----(式2.6)

 ここで、結果をN倍し、期待値とすると、1火力:1.33、2火力:1.33(1+2/N)、3火力:1.50(1+1.67/N+2.67/N^2)、4火力:1.57(1+1.82/N+2.55/N^2)となる。1次項の係数がTable 2.2の平均射撃力と一致していること、Nが十分大きい場合、2次項で数%、3次項は0.数%しか、結果に影響を与えない事が分かる。3次項は3枚以上の射撃カードを用いた射撃であり、確率的には、まれにしか起きないため、数学的には、3次以上の項を無視できる。このことから、射撃力の期待値は、Table 2.2の平均射撃力に10%程度の増加を見込めば十分であると考えられる。

 以上をまとめると、
(1) 射撃力の期待値は近似的に、下記式で表される。
 [FF]= 1.25 + 0.0615*[FP] + 0.00427*[FP]^2

期待射撃頻度

 期待射撃力の評価では、大火力のグループが、小さい必要火力の射撃カード単独で射撃しない可能性が高いことが考慮されていない。数学的期待値はプレーヤーの意思が入らないため、この部分を考慮できないことが問題である。また、射撃力の期待値には射撃頻度が入ってこない点も問題である。1火力と2火力では1回の射撃力の大きさの差は殆ど無いが、射撃できる機会は2倍となる。この2つの問題をどのように評価するかは、大きな問題である。

 射撃頻度を考慮した評価方法として、西山岳詩が合計射撃力を火力で平均する方法を提案している[2]。その結果をTable 2.3に引用する。
 この評価数値は、これまでの1回の射撃当たりの効率ではないことに注意が必要である。得られた評価数値は1ゲーム全体で、グループ内の1火力がどの程度の射撃力を与えるかを示していると考えられる(1ゲームとした理由は、射撃カード48枚の内、1デッキの間に引ける期待値は11~14枚なので、48枚引くには3~4デッキ必要なため、1ゲームとした。詳細は1デッキの時間を参照して頂きたい)。火力[FP]のグループが、ゲーム中にn回射撃し、そのi回目の射撃力を FF(i) とした場合の、評価関数を[FF]とすると、この評価値は近似的に、次式のように直せる。
     n
[FF] = { Σ FF(i) }/[FP] ----(式2.7)
    i=1
 この評価関数は、ある射撃力を持つグループの1火力が、ゲーム全体で実施するであろう、射撃を積分した射撃力を示している。
 このやり方の優れている点は、射撃力と射撃頻度の2つのパラメータを1つの評価値で示していることと、デッキ平均(1ゲーム平均)を用いていることである。しかしこの利点は、1回の射撃でどの程度の射撃力が期待できるか、何回程度射撃できるかが、分かりにくいという難点ともなっている。結論としては、1個の評価値をもって、射撃力の効率を求めることには無理があることを示している。

Table 2.3 Firepower Average of Fire Factors2)

火力 火力平均射撃力 火力 火力平均射撃力
1 4.0 10 6.7
2 4.0 11 6.9
3 5.0 12 7.0
4 5.5 13 7.3
5 5.6 14 7.6
6 5.5 15 8.3
7 6.0 16 8.6
8 6.4 17 9.4
9 6.4 18 10.0

 射撃力の効率を考えるため、グループ火力という1つのパラメータで、射撃力と射撃頻度の2パラメータを得る関数を検討する。1回の合計射撃力を大きくすると、射撃頻度が下がり、射撃頻度を大きくすると、1回の射撃力が小さくなる。この両端、射撃頻度最大と平均射撃力最大について検討すれば、優れた評価関数が見つかる可能性がある。Table 2.4には、射撃頻度を最大(Priority:Freq)とした場合の射撃回数と1回の平均射撃力、および、平均射撃力を最大とした場合(Priority:Power)の射撃回数と1回の平均射撃力を示した。経験的感覚では、"Priority:Power"のコラムの射撃頻度と平均射撃力の両方を同時に極大とした場合が実戦に近いように感じる。これは、プレーヤーが射撃アクションを選択する上で、射撃カードがあり、射撃可能あれば、必ず射撃するのではなく、できるだけ大きな射撃力にして射撃しようと射撃カードを貯める傾向にあることと関係している。

Table 2.4 Average Fire Factor of Fire Cards that can be Shot

Fire power Sum Fire Priority:Freq.
Freq./Ave. FF
Priority:Power
Freq./Ave. FF
Fire power Sum Fire Priority:Freq.
Freq./Ave. FF
Priority:Power
Freq./Ave. FF
1 4 3/1.33 3/1.3310 67 29/2.31 15/4.47
2 8 6/1.33 5/1.6011 76 31/2.45 16/4.75
3 15 10/1.50 7/2.1412 85 33/2.58 17/5.00
4 22 14/1.57 10/2.2013 96 35/2.74 17/5.65
5 28 17/1.65 11/2.5514 107 37/2.89 17/6.29
6 33 19/1.74 11/3.0015 125 40/3.13 19/6.58
7 42 22/1.91 13/3.2316 138 42/3.29 21/6.57
8 51 25/2.04 14/3.6417 159 45/3.53 23/6.91
9 58 27/2.15 15/3.8718 180 48/3.75 24/7.50

 Table 2.4を射撃力でプロットした結果をFig. 2.3に、射撃頻度でプロットした結果をFig. 2.4にそれぞれ示した。ゲーム中の射撃は、実線と破線の2つの曲線で囲まれた範囲内で実施されるはずである。
 射撃頻度優先のoをフィッティングした結果をFig. 2.3、Fig. 2.4に実線で示した。射撃力に関しては、(式2.2a)、(式2.2b)と同じである。射撃頻度[Fq]に関して、1次関数近似した場合、
[Fq]= 3.17 + 2.49*[FP] : SD= 1.27 ----(式2.8a)
となった。多項式解析した結果は、
[Fq]= 0.833 + 3.19*[FP] - 0.0369*[FP]^2 : SD= 0.915 ----(式2.8b)
となった。この結果から、射撃頻度優先の射撃の場合、射撃力、射撃頻度が1火力毎に射撃力が0.1〜0.15、頻度が2.5〜3回増えることが分かった。
 Fig. 1.3、Fig. 1.4の射撃力優先のをフィッティングすると、
[FF]= 0.482 + 0.366*[FP] : SD= 0.734 ----(式2.9)
[Fq]= 4.23 + 1.06*[FP] : SD= 1.19 ----(式2.10)
となった。1火力増える毎に、0.4射撃力増え、頻度も1回増えることが分かった。しかし、破線とを見比べると、火力1〜3、13〜15が低く外れていることが分かる。ただし、火力12から13で射撃頻度が1増え、15から16で1増えていることから、小数点が無いデジタル的処理ではこのような誤差はどうしても生じてしまう。火力1〜3は立ち上がりの部分であり、頻度も2づつ増加していることから、ここは有意差である。この領域を分けててフィッティングした。その結果をFig. 2.4中に黒の実線で示した。またフィッティング結果を次式に示す。
[Fq]= 1.00 + 2.00*[FP] : SD= 0.000 (FP≦3)----(式2.11)
[Fq]= 6.03 + 0.925*[FP] : SD= 0.850 (FP≧4)----(式2.12)


Fig. 2.3 Relationship between Fire Factor and Fire Power
The open marker shows that the priority of fire was frequency.
The close marker shows that the priority of fire was Fire factor.


Fig. 2.4 Relationship between Fire Frequency and Fire Power
The open marker shows that the priority of fire was frequency.
The close marker shows that the priority of fire was Fire factor.

 Fig. 2.3、Fig. 2.4の射撃力優先データ点を見ると、波打って見える。この変化を有意差として、微分する考え方がある。西山[2]は自身の提案した評価数の微分から効率を議論している。微分を議論する場合の注意点は、ゲーム中でグループの射撃可能人員の変化等を考慮しないと、1火力の変化は簡単に発生してしまうことにある。私は、この差は、ゲーム中の統計誤差の中に埋もれると考えているため、『射撃力の効率』の微分に関して議論しない。
 グループ人員のようにゲーム中の変動も考慮した評価は『射撃力の効率』ではなく、『射撃の効率』であり、この場合は評価値の微分を考慮する意味は大きい。『射撃の効率』におけるグループサイズの影響は、J. Vernet[3]が巧く考慮している。これについては、次で検討する。


 以上の結果をまとめると、
(1) 射撃力の効率に関して評価する場合、火力から、射撃力と射撃頻度の両方を評価する必要があること。
(2) プレーヤーが射撃する場合に、できるだけ大きな射撃力にして射撃しようと射撃カードを貯める傾向にある場合、次式が良い近似式になること。
[FF]= 0.482 + 0.366*[FP]
[Fq]= 1.00 + 2.00*[FP] (FP≦3)
[Fq]= 6.03 + 0.925*[FP] (FP≧4)
(3) 近似式は1次関数で十分であり、火力による効率の違いはほとんど見られず、単調増加である。

射撃の効率

 これまでは、解析的に処理しやすい、火力の射撃力/頻度変換効率について検討してきた。射撃の効率となると、火力変換以外に、自身のグループサイズと、敵の地形/隠蔽、グループサイズと平均モラルを考慮する必要がある。敵の状況を除いても、自身のグループサイズがパラメータとして残る。これは、グループサイズが大きいと、グループ内にPinになる兵士が発生する確率が増えるため、完全火力からの火力減少が予測されるためである。
 私であれば、pinになる兵員の期待値から、グループの効率を導出しようと考えるが、グループの平均モラルや、ゲームの前半か中盤か等の時間の考慮が必要となり、難しいモデルが必要となる。J. Vernetは別のアプローチでこの問題を解決しようとした[3]。

J. Vurnettのアプローチ

 Table 2.5は、J. Vurnettの、各火力の価値(Value per Firepower)のTableの抜粋である3)。Tableの脚注に"The Product gives a weighted value for each group size."とあり、グループサイズの考慮の仕方として面白い提案をしている。Table 2.5のNumberのコラムが、 J. Vurnettの提案する"A weighted value for each group size"である。 J. Vurnettは、グループサイズの加重として、そのグループ火力以上の必要火力射撃カードの枚数(比率)を指標とし、その指標がグループサイズの有効性を示している。
 基本的に、人数の多いグループは撃たれ弱い。先にも書いたが、これは確率的な問題である。また、火力を大きくするためには、グループの構成人員を増やす以外に方法はない。このため、大火力グループは、撃たれ弱いグループとなり、完全火力で射撃できる確率の低いグループとなるとこは自明である。J. Vurnettはグループの効率は、グループサイズが大きくなると単調減少すると近似し、前述の加重を提案したと考えられる。この近似の善し悪しに議論はあると思われるが、非常に面白い近似であると、私は感じている。
 このグループサイズの加重が考慮されている場合、ゲーム中の人員減少が考慮されていることになるため、微分した結果を議論する意味は大きい。先人の文献[3]は、ぜひグループ編成の参考にして頂きたい。

Table 2.5 Value per Firepower[3]

Firepower
Factors
Sum Number Average Fire ProductFirepower
Factors
Sum Number Average Fire Product
1 48 1.33 64.00 10 21 4.50 94.50
2 45 1.33 60.00 11 19 4.50 85.50
3 42 1.75 73.50 12 17 4.50 76.50
4 38 1.75 66.50 13 15 5.50 82.50
5 34 2.00 68.00 14 13 5.50 71.50
6 31 2.50 77.50 15 11 6.00 66.00
7 29 3.00 87.00 16 8 6.50 52.00
8 26 3.00 84.00 17 6 7.00 42.00
9 23 3.50 80.50 18 3 7.00 21.00

射撃力/頻度評価から見る射撃の効率

 J. Vurnettが面白いグループ加重を提案しているのだから、これと私の提案する、射撃力/頻度評価とを合わせてみた。その結果をTable 2.6に示した。Table 2.5、Table 2.6を見る時の注意点としては、これらTableの効率はグループサイズが異なるグループを比較するための効率であり、同じ人数のグループを比較するための値でないことである。同じ人数であれば火力と頻度のコラムを比較すれば良いのである。

Table 2.6 Value per Firepower and frequency (Priority:Fire Power)

Firepower
Factors
Group size
weight
Average
Fire/Frq
Product
Fire/Frq.
Firepower
Factors
Group size
weight
Average
Fire/Frq
Product
Fire/Frq.
1 48 1.33/3 63.8/144 10 21 4.47/15 93.9/315
2 45 1.60/5 72.0/225 11 19 4.75/16 90.3/304
3 42 2.14/7 89.9/294 12 17 5.00/17 85.0/289
4 38 2.20/10 83.6/380 13 15 5.65/17 84.8/255
5 34 2.55/11 86.7/374 14 13 6.29/17 81.8/221
6 31 3.00/11 93.0/341 15 11 6.58/19 72.4/209
7 29 3.23/13 93.7/386 16 8 6.57/21 52.6/168
8 26 3.64/14 94.6/364 17 6 6.91/23 41.5/138
9 23 3.87/15 89.0/345 18 3 7.50/24 22.5/72.0

Table 2.7 Value per Firepower and frequency (Priority:Fire Frequency)

Firepower
Factors
Group size
weight
Average
Fire/Frq
Product
Fire/Frq.
Firepower
Factors
Group size
weight
Average
Fire/Frq
Product
Fire/Frq.
1 48 1.33/3 63.8/144 10 21 2.31/29 48.5/609
2 45 1.33/6 59.9/270 11 19 2.45/31 46.6/589
3 42 1.50/10 63.0/420 12 17 2.58/33 43.9/561
4 38 1.57/14 59.7/532 13 15 2.74/35 41.1/525
5 34 1.65/17 56.1/578 14 13 2.89/37 37.6/481
6 31 1.74/19 53.9/589 15 11 3.13/40 34.4/440
7 29 1.91/22 55.4/638 16 8 3.29/42 26.3/336
8 26 2.04/25 53.0/650 17 6 3.53/45 21.2/270
9 23 2.15/27 49.5/621 18 3 3.75/48 11.3/144

 Table 2.6を見ると、射撃力効率値(Product Fire value)のピークが8, 10火力にあり、が前後の火力と比較して低いのは4, 5, 9火力であることが分かる。射撃頻度効率値(Product Frequency value)のピークが7火力にあり、前後の火力と比較して低いのは5, 6火力であることが分かる。また射撃頻度に関しては火力3と4の間に大きな段差があることから、実効的な射撃が高い頻度で実施するには4火力以上必要だと言える。

 多人数火力グループについて検討する。Table 2.6から、火力8から9への増加は射撃力の増加より射撃頻度の増加に利点があり、火力9から10への増加は射撃力の増加に利点があることが分かる。9火力の効率は低いが、8〜10火力は火力効率のピークであり、射撃頻度のピークからもあまり外れていない。このためダメージによるグループ内の変化にも効率が落ちにくい利点もある。このことから、射撃グループは相対距離1で8火力以上、相対距離2で10火力あると効率が良いと結論できる。相対距離3以上も考慮して編成する場合は,失われる兵員を考慮して,15火力以上あるように編成することも良い選択である。15火力以上の領域は,Table 2.6にみられるように平均射撃力,期待射撃頻度共増加するため,相対距離3以上のノーガードの殴り合いのような射撃戦では有効である。
 
 小グループに関して検討する。4火力、5火力の火力効率が低いこと、5火力の頻度効率が低いことに注意する必要がある(6火力の頻度効率も低いが、6火力を得るには、LMGまたは、ライフル兵6名は必要であることから、小グループとはいえない)。また、火力3以下の射撃頻度が低い点も重要である。
 頻繁に射撃して前進する小グループは、4火力が優れている。このグループは相対距離3になれば、8火力以上でるため、火力、頻度とも効率的である。
 効率よく射撃して前進する小グループは、相対距離1で3火力、相対距離3で7火力以上あるグループが良い。火力3は射撃頻度は低いが、火力効率が優れている。また火力7になれば、頻度効率も改善されることとから、このような編成が優れている。
 前進しない小グループでも、相対距離1で3火力以上あるグループが良い。火力3は射撃頻度は低いが、火力効率が優れている。また、敵に接近された場合、損害を受けていても、3火力以下になる可能性が低いため、高い頻度で射撃し、相手の侵入を防げる可能性が高い。
 5火力のグループは火力効率、頻度効率が低いため、その有利性を発揮するためには、相対距離3まで前進する必要がある。つまり5火力グループは、力ずくで前進することが目的の小グループである

References

[1] For instance, discussions of a mailing list of [Upfront].
[2] T. Nishiyama : Home Page (since 2001). URL:niigata.cool.ne.jp/aokigaryou/
[3] J. Vurnett : General 21, pp. 15 (No. 1) (1984); (reprint : BANZAI Rules book)
Translation by M. Kitashino : TACTICS Mgz. Jpn. No. 20, pp. 55 (1985).


2. UP FRONT
第1章 回復、隠蔽の効率
第3章 グループ編成
Dash's Clinic: All right reserved by Kazuhiro Ueda, 2002.

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