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第3章 グループ編成

火力とグループサイズの大きさの適性

 グループ編成には目的別に、射撃グループ、突撃グループ、補助グループの3つがある。射撃グループはその名の通り火力により敵を制圧することを目的としたグループであり、突撃グループは距離チット4への前進、距離チットから得られる勝利ポイントの獲得、および白兵戦を目的としたグループである。補助グループはグループ数を増やすこと、距離チットから得られる勝利ポイントを最小限獲得することを目的に編成されるグループを表している。

 回復の効果からグループ人数の上限を検討する。Table 1.6に示したように、回復の1枚当たり効果数は3弱であるから、1度で回復できるのは3人。また全回復を除く最大の回復数は6であるから、1度で回復可能な最大人数は6人となる。7人以上のグループは全員ピンになると最低回復を2枚、平均的には3枚必要となる。回復カードを3枚引くには20枚カードを引く必要があり、これは捨て札だけで10回に相当する。しかも相手はこの間に3回射撃することが期待されるため、回復は一層遅れ、射撃で壊走する兵士が数人発生すると推測される。人数が多いということはTable 1.7で見たように全員がピンになる確率は減るが、7人以上がピンになるとした場合は人数が増加するほど確率が増加する。つまりグループの人数の上限は、最適が5人、最大で7人と考えられる。

防御力でみた射撃グループの適正サイズ

 Table 1.2に示したように1〜5火力までは1火力増加する毎に期待数が急激に減少し、5〜8火力までは期待数が等差で減少する。9火力以上は期待数の減少が緩やかになる。攻撃力の維持の観点から見れば遠距離で9火力以上の射撃グループを用いれば相手の射撃によるピンの影響が小さいことが分かるが、人数−期待数効率からすると9火力以上にしてもかけた人数ほどの効率が得れないとも言える。このことから射撃グループは9火力が一つのポイントになる。先に示したように相手から射撃を受けた場合1人程度はピンになるため、相手と撃ち合いをする距離では10火力を得ておくと回復することなく9火力で射撃可能なので、回復カードの節約になる。

 回復の少ない露国、日本、伊国は相対距離2で10火力あることが理想となる。露国と日本はLMGを含む7人で相対距離2で10火力を得ることができる。また伊国はLMGを含む8人で相対距離2で10火力を得ることができる。
 独国、英国、仏国は相手が露国/日本/伊国の場合、相対距離2で10火力で射撃できれば良いと考えられる。独英国の場合、LMGを含む6人で相対距離1で9火力、相対距離2で10火力となる。仏国はLMGを含む7人で相対距離1で9火力,相対距離2で10火力を得れる。逆に米国や独国/英国/仏国が相手の場合は先の人数よりライフル兵士を1人増やして、相対距離1で10火力得ると良いと考えられる。
 米国はBARを含む7人で相対距離1、2で9火力を得られるし、8人にすることにより10火力を得ることができる。

 第2章に示したように、火力は人数を増やせば増加する。しかし、グループの人数が増えるほどピンになる兵士の期待値が増えることから、防御力が減少するとも言える。遠距離での最大射撃力4となる。これに平均的地形修正TEM-2(地形+塹壕+隠ぺい)により部隊の受ける射撃力は2となる。人数はTable 1.5より、射撃力2に対して平均モラル5で7.7人、モラル4で4.9人、モラル3で3.0人、モラル2で1.4人となる。兵士1人追加する防御力に対する影響を同じ人数のままで平均モラルの減少として換算すると、モラル5-4の間では平均モラルが0.4下がることに、モラル4-3では0.5、モラル3-2では0.6下がることに対応することが分かる。
 また、高いモラルの兵士で構成された射撃クループは平均モラルが4.0〜3.5の間になる。1人追加する場合モラル3の兵士が追加されることになるため、平均モラルは0.1下がる(先の防御力換算ですは、0.5下がることに対応)。逆に低いモラルの兵士で構成された射撃グループの場合、平均モラルは3.5〜2.5程度となり1人追加により平均モラルは0.1上昇する(防御力換算で、0.5の増加)。

 以上のように、射撃グループは5〜7人で構成し、攻撃力を重視する場合は相手と撃ち合う距離で10火力に成るように、防御力を考慮する場合は9火力が得られるように構成するのが良いと言える。

移動(突撃)グループの適正サイズ

 移動(突撃)グループに話を進める。突撃グループは目的により2種類に分類できる。1つは距離チット4への前進および白兵戦を目的とした積極的移動(突撃)グループ、もう1つは距離チットから得られる勝利ポイントの獲得を目的とした消極的移動グループである。ここでは前者を突撃グループ、後者を補助グループと呼ぶ。

補助グループのサイズ

 2つの違いは構成する兵士のモラルにある。突撃グループは近距離への前進と白兵戦を主任務としているため、高いモラルの兵士で構成される。補助グループは注意深く距離チット1に前進し兵士の人数分の勝利ポイントを獲得すること、射撃グループの補助を任務としているため、低いモラルの兵士で構成され、距離チット1でTEM-2以上の地形に入り、塹壕を構築するグループである。補助グループは一般的に平均モラルが3.0〜2.5と低いため、Table 1.4からも分かるように撃たれると数人がピンになることが予測される。このグループはパニック値も低いためピンの状態で射撃を受けるといとも簡単に壊走すると考えられる。補助グループは、ピンになる人数を低く押さえなければ、補助グループの維持のために回復を消費してしまい、射撃/突撃グループで使う回復が無くなる場合があるので、注意深く運用する必要がある。
 ピンになる人数を減らす方法としてはグループを小人数で構成する方法が最良と言える。この極限が2人からなる補助グループである。

 補助グループにSLを加える場合は狙撃兵対策(最良のカードではピン:50%,KIA:34%)が必要となる。人数が多いほど狙われ難いが、通常、補助グループに多くの兵士を加える余裕はないので、SLを含めて3〜4人とするのが適当となる。これによりSLがKIAになる確率は11〜6%まで減少することができ、次に述べる射撃補助グループの効果も得れる。伊国は例外的に、SLを補助グループに加えるのは悪手の1つとなる。SLが降伏するとSLが捕虜になるまで(事実上のゲーム終了まで)手札が3枚になるため、伊国は最大のグループにSLを加えた方が良策といえる。

 第2章で見たように、射撃補助グループとしては、3火力以上は欲しいところである。また敵が近距離に接近してきた場合のことを考えると、7火力の頻度効率の高さがポイントと言える。
 では補助射撃グループの最大人数はどれ位が適当でしょう?
 答えはライフル兵3名、又はライフル兵3名+マシンピストルの兵士1名となる。射撃グループのように7名でない理由は、補助を目的としたグループの人数を増やして攻撃力を強化することは、そのグループの任務から逸脱し、第2射撃グループと考える必要が生じるためである。また補助グループはあくまで補助的任務を帯びている以上、主力グループに負担をかけない範囲に人数を納める必要があることを忘れてならないことである。

突撃グループのサイズ

 突撃グループには速やかな移動が必要となる。これには少数の高いモラルの兵士で構成することが良いことがTable1.4から分かる。注意するべきことは近距離では敵火力グループからの射撃で致命的な射撃力が来ることである。これを防ぐには相手の火力グループをピン状態にしておくこと、TEMの高い地形に入ること、隠ぺいと回復を持っていることが必要となる。

 一般的に相対距離3での射撃グループは15火力は有している。この火力は1ラウンドおきに射撃可能な火力であり、最大射撃力は7となる。TEM-2に入っていても、5射撃力で撃たれることになる。突撃グループは平均モラルが3.5〜4.5位であることを考えると、隠ぺい-1以上がないと半数以上がピンになることを意味している。回復が来るまでに2回撃たれることを考えると生存できないように思えるかもしれない。しかし,実際の平均射撃力は5程度なので、TEM修整後の射撃力は3となり、平均モラル4では1人がピンになる程度で済む。つまり少数精鋭の突撃グループは近距離に入ることは可能である。白兵戦に主眼を置いた場合、モラル5のライフル兵2名で構成するのが最良となる。射撃/白兵両方を考えた場合はモラル5のマシンピストル兵1名とライフル兵1名から構成すると良い。2名からなる突撃グループは狙撃兵に対して非常に脆弱なので、人数を少し増やすことは考えと言える。

 中距離での攻撃力は人数の都合から見ても補助グループと同じになる。しかし、近距離や至近距離(相対距離5)ではマシンピストルが有効になる。従ってマシンピストルを装備した兵士は突撃グループに加えるのがが良い(突撃グループを迎え撃つ場合の除いて)。独国、露国のようにLMGがクルーを必要とする場合はマシンピストルの兵士をクルーに指定した方が良い。遠距離での火力が増加する方が前半戦を有利に戦えますから。近距離での射撃力は射撃力7、そして射撃グループ同様9火力がポイントとなる。
 しかし、相対距離3で9火力を得るには5人の兵士が最低限必要となる。このような突撃グループを持てるのは、構成人員の多い露国位である。相対距離3で7火力を得るのであれば、マシンピストル兵を1名含む4名で可能になる。またこの兵員構成の場合相対距離4で9火力を得ることができるため、最適と言える。これより突撃グループは4〜5名の高いモラルの兵士から構成されるのが良いと言えます。


 本章をまとめると、射撃グループは5〜7人で構成する。攻撃力を重視する場合は相手の有効射程距離で10火力に成るように、防御力を考慮する場合は9火力が得れるように構成する。
 突撃グループは高いモラルの兵士4〜5人で構成し、マシンピストル兵士を加え相対距離3で7火力、相対距離4で9火力以上で撃てるように編成すると良い。また、中距離での射撃戦を考えず、至近距離での戦闘を目的とするなら、モラル5の兵士2名(ライフル2名または、ライフル、マシンピストル各1名)が良い。
 補助グループは2名なら、低モラル兵士2名、3名ならライフル兵3名、4名ならマシンピストル1名とライフル兵3名が良い。

指揮官, 機関銃手のポジション(追加) 

 D. Greenwoodは、グループ内の最後のポジションにSLやLMGを配置することが適切であるとしている。Table 4.1に示すように、RPCは162枚に均等に配分されているため,162が割り切れる2,3,6,9と1は全ポジションで同じ確率となる。4,5,7,8,10では,余りが,2,2,1,2,2,のため,先頭の2人がじ0.8%だけ高くなる。損害を受けてグループ内の人数が減少することを考えると,グループ内の兵員が4人まで減少した場合に限り、最後の2ポジションがスナイパーと故障の確率が少ないポジションとなる。
 結論としては,先頭の2ポジションを避ければ良く、最善としても、最後の2ポジションであればどちらでも同じである。

Table 4.1 RNC Position Table

RPCRedBlack1234567890
07.4%92.6%17171616161616161616
99.3%90.7%181818181818181818
811.7%88.3%2121202020202020
716.0%84.0%24232323232323
622.2%77.8%272727272727
530.2%69.8%3333323232
440.1%59.9%41414040
351.9%48.1%545454
266.0%34.0%8181
179.6%20.4%162

2. UP FRONT
第2章 射撃力と射撃の効率
第4章 1デッキの時間
Dash's Clinic: All right reserved by Kazuhiro Ueda, 1998.

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