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第4章 1デッキの時間
第1デッキの時間
プレイヤーは1デッキの間にどれくらいカードを引くか検討してみる。
モデルゲームとして、独国vs英国(米国)のUpFront対戦を考えてみる。これはグループを4人と6人(+米国はモラル1の兵士2名)で構成できるため、後の模式化が簡単になるためである。まず最初にアクションデッキの内容の残り(Table 1.2、Table 1.6以外)をTable 4.1、Table 4.2示す。
Table 4.1 国別アクションカード期待数
国籍 | 煙幕期待数 | 非機能期待数 |
---|---|---|
独 | 81.0 | 40.5 |
米 | 32.4 | 23.1 |
露 | 0.0 | 40.5 |
日 | 0.0 | 40.5 |
英 | 32.4 | 81.0 |
仏 | 81.0 | 40.5 |
伊 | 0.0 | 9.0 |
Table 4.2 その他のカード期待数
カード | 期待数 |
---|---|
移動(側面) | 40.5 |
移動(渡河) | 27.0 |
地形(TEM-1+) | 6.8 |
地形(妨害) | 23.1 |
地形(TEM-2+) | 13.5 |
地形(非機能) | 23.1 |
狙撃兵 | 40.5 |
米英国は2アクションするか、2枚捨て札をすることが一般的と思われる。一方の独国は平均的には1アクション、1枚捨て札をすることになると考えられる。つまり両国とも平均すると1ラウンドに2枚デッキから引くことになる。隠ぺいを使った場合1枚手札は補充を受けるが、この部分は、狙撃兵射撃、狙撃兵チェック、渡河チェック、修理、塹壕などに用いるRNC/RPC同様無視する。同様に途中で取り除く地形カードも無視する。
1デッキ目の大半は遠距離での行動が中心となる。任意の連続する6ラウンドに注目すると、独国12枚、英米国12枚カードを引くと考えられる。この中には射撃カード4枚、回復2枚、移動2枚、地形3枚、隠ぺい1枚が期待できる(少数点以下四捨五入)。
相対距離1〜2では6人の射撃グループの火力は8〜10火力程度なので、射撃カードの50%が射撃可能である。遠距離では人数の多いグループを目標とする方が適当なので、射撃可能カード1枚毎に6枚のカードがRNCとして引かれる。
また、実行可能なアクションは射撃2回、回復2回、移動2回なので、6回アクションが可能なので、最初の1アクション、1枚捨て札、2アクションするか、2枚捨て札をするの過程が実行可能であることが分かる。以上の結果より、6ラウンドの間に、RNCとして12枚のカードと隠ぺいの補充として1枚カードが引かれることが推測できる。
両軍合わせて、50枚のカードを使います。1デッキは162枚なので、19.5ラウンドあることが期待できる。各プレイヤーは39枚カードを引くと考えられる。
以上の論理は計算に射撃カードしか入れていないので、国籍による違いは発生しない。例外は捨て札1枚の仏国と捨て札枚数に制限のない露国です。対伊国は射撃目標が多いためRNCとして引く枚数が多くなり1デッキ当たりのラウンド数が減少(-1.5ラウンド位)するが、影響は小さい。
仏国の場合、2アクションするためには合計4枚引く必要がある。前記の結果より、2枚引くと1枚アクション可能なカードがあることが予測できるため、アクション-捨て札-捨て札-アクションのローテンションが期待できる。この場合6ラウンドの間に、8枚のカードを引く。先ほどと同じ12枚引くには9ラウンド必要となる。6と9の最小公倍数より18ラウンドを基準にすると、仏国は50枚カードを引き、対戦国は75枚カードを引くことになる。この結果18ラウンドで125枚必要となり、1デッキの間に23ラウンドあることが期待でき、仏国は31枚、対戦国は46枚カードを引くと考えられる。
露国の場合は2枚引くと1アクション可能なカードが引くことが期待できるため、次に3枚捨て札すると考えれる。3枚捨て札すると1.5枚アクション可能なカードが引くことが期待できるため、次のラウンドで2アクションすると手札の中は1.5枚使えるカードがあることになる。ここで2枚捨て札をすれば日本と同じですが、3枚捨てることで、2アクション-3枚捨て札サイクルがつくられる。露国プレイヤーは0.5枚のアクション可能カードとして何を捨てるかが、重要になる。露国の場合、6ラウンドで15枚カードを引くことが期待できる。12枚カードを引くの必要な時間は5ラウンドなので、30ラウンドを基準にする。露国は150枚のカードを引き、対戦国は125枚のカードを引くため、275枚のカードが必要となる。1デッキ162枚なので1デッキで18ラウンドあることが期待でき、露国は45枚、対戦国は36枚カードを引くことが期待される(仏vs露はありえませんが、期待値的には21ラウンド、仏28枚、露52枚引くことが期待されます)。 Table 4.3に以上の結果をまとめて示す。
Table 4.3 1デッキ目に期待できるアクションカードの種類と枚数
カード種類 | 独 | 独vs仏 | 独vs露 | 英 | 英vs仏 |
---|---|---|---|---|---|
低火力射撃 | 6.5 | 7.5 | 6.0 | 6.5 | 7.5 |
射撃 | 11.5 | 13.5 | 10.6 | 11.5 | 13.5 |
移動 | 6.5 | 7.7 | 6.0 | 6.5 | 7.7 |
移動(側面) | 1.0 | 1.1 | 0.8 | 1.0 | 1.1 |
移動(渡河) | 1.4 | 1.7 | 1.3 | 1.4 | 1.7 |
隠ぺい | 3.4 | 4.0 | 3.1 | 3.4 | 4.0 |
回復 | 6.0 | 7.1 | 5.5 | 6.0 | 7.1 |
煙幕 | 0.5 | 0.6 | 0.4 | 1.2 | 1.4 |
狙撃兵 | 1.0 | 1.1 | 0.9 | 1.0 | 1.1 |
地形(TEM-1+) | 5.7 | 6.8 | 5.3 | 5.7 | 6.8 |
地形(TEM-2+) | 2.9 | 3.4 | 2.7 | 2.9 | 3.4 |
地形(妨害) | 1.7 | 2.0 | 1.6 | 1.7 | 2.0 |
地形(非機能) | 1.7 | 2.0 | 1.6 | 1.7 | 2.0 |
非機能 | 1.0 | 1.1 | 0.9 | 0.5 | 0.6 |
合計 | 39. | 46. | 36. | 39. | 46. |
カード種類 | 伊 | 伊vs仏 | 伊vs露 | 米 | 米vs仏 |
---|---|---|---|---|---|
低火力射撃 | 6.5 | 7.5 | 6.0 | 6.5 | 7.5 |
射撃 | 11.5 | 13.5 | 10.6 | 11.5 | 13.5 |
移動 | 5.7 | 6.8 | 5.3 | 5.7 | 6.8 |
移動(側面) | 1.0 | 1.1 | 0.8 | 1.0 | 1.1 |
移動(渡河) | 1.4 | 1.7 | 1.3 | 1.4 | 1.7 |
隠ぺい | 2.7 | 3.1 | 2.4 | 3.1 | 3.7 |
回復 | 4.6 | 5.4 | 4.2 | 5.6 | 6.6 |
煙幕 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 1.2 | 1.4 |
狙撃兵 | 1.0 | 1.1 | 0.9 | 1.0 | 1.1 |
地形(TEM-1+) | 5.7 | 6.8 | 5.3 | 5.7 | 6.8 |
地形(TEM-2+) | 2.9 | 3.4 | 2.7 | 2.9 | 3.4 |
地形(妨害) | 1.7 | 2.0 | 1.6 | 1.7 | 2.0 |
地形(非機能) | 1.7 | 2.0 | 1.6 | 1.7 | 2.0 |
非機能 | 4.3 | 5.1 | 4.0 | 1.7 | 2.0 |
合計 | 39. | 46. | 36. | 39. | 46. |
カード種類 | 日/露 | 日vs仏 | 日vs露 | 露 | 仏 |
---|---|---|---|---|---|
低火力射撃 | 6.5 | 7.5 | 6.0 | 7.5 | 5.2 |
射撃 | 11.5 | 13.5 | 10.6 | 13.2 | 9.1 |
移動 | 7.2 | 8.5 | 6.7 | 8.3 | 5.2 |
移動(側面) | 1.0 | 1.1 | 0.8 | 1.1 | 0.8 |
移動(渡河) | 1.4 | 1.7 | 1.3 | 1.7 | 1.1 |
隠ぺい | 4.6 | 5.4 | 4.2 | 5.3 | 2.7 |
回復 | 5.1 | 6.0 | 4.7 | 5.8 | 4.8 |
煙幕 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.4 |
狙撃兵 | 1.0 | 1.1 | 0.9 | 1.1 | 0.8 |
地形(TEM-1+) | 5.7 | 6.8 | 5.3 | 6.6 | 4.6 |
地形(TEM-2+) | 2.9 | 3.4 | 2.7 | 3.3 | 2.3 |
地形(妨害) | 1.7 | 2.0 | 1.6 | 1.9 | 1.3 |
地形(非機能) | 1.7 | 2.0 | 1.6 | 1.9 | 1.3 |
非機能 | 1.0 | 1.1 | 0.9 | 1.1 | 0.8 |
合計 | 39. | 46. | 36. | 45. | 31. |
初期地形、狙撃兵、故障の影響
これまでの、結果を元に、もう少し、モデルを詳細化する。これまで同様、米英国は、2アクションするか、2枚捨て札をすると考え、独国は平均的には1アクション、1枚捨て札程度に収束すると考える。露日では捨て札は3枚になる場合があるが、3アクションするには手札の枚数が少なく、1アクションしかできない場合もあるので、平均的には2アクションするか、2枚捨て札する、収束すると考える。伊国は条件が悪いが露日に準ずる。仏国は捨て札1枚のため、2アクションするのが目標となる。非機能を平地にして処理するなどすることで、2アクションを維持できる可能性がある。仏軍だけは例外的に、効率良く手札が回った場合について扱う。ここでは、Table 4.1、4.2のデータを元に第1デッキのカードの流れを検討する。
最初にセットアップを検討する。最初に各プレーヤーは手札の枚数だけデッキから引く。手札のサイズに合わせて分けると、Cチーム:ソ連、日本、伊国の4枚、Bチーム:独国、英国の5枚、Aチーム:米国、仏国の6枚である。次に手札の中から地形を配置する。アクションカードの中身について確認する。Table 1.2、1.6、 4.1、4.2は各カードを1枚得るを期待するために引くカードの枚数である。セットアップ時にTEM-2以上の地形を配置する可能性はTable 4.2から分かるように低い(TEM-2地形なら距離チット1に移動後に配置する)。また湿地(Marsh)は敵に配置するのに適当な地形である。茂み(Bruh)、丘(Hill)、障壁( Wall)と湿地のセットアップ地形は, 11.6枚で1枚期待できる。手札の中にセットアップ地形は、Cチームで0.3枚、Bチームで0.4枚、Aチームで0.5枚期待できる。つまり、Aチームはデッキから6.5枚、Bチームは5.4枚、Cチームは4.3枚、第1デッキから引くことでセットアップが終了する。このときに引かれるカード枚数をSとする。
先に検討したように、各国軍は1プレーヤーターンに2枚のカードをデッキから引くので、第1デッキのプレーヤーターン数をNとすると、デッキのRNCとして使われたカードの枚数は162-S-4Nとなる。
ゲーム中の移動、回復、地形配置は、手札のアクションであり、余分なデッキを消費しないので、内容の検討は、無視する。
ゲーム中に射撃が発生すると、RNCとして6〜7枚が引かれる。ほとんどの場合、相対距離1〜2ではPF9以下の射撃カードしか使えないので使用可能な射撃カードは(4N/6)枚で、1度の射撃が引かれるRNCを6枚と考えると、4N枚のRNCが引かれる。しかし1デッキ目は、相対距離0の間に引かれたFP4〜FP9の射撃カードは捨て札になることがある、また相対距離1〜2の間でFP3以下の射撃カードは他射撃カードと組み合わせて使われることもある。この両方の影響をFP3以下の射撃カードが引かれるのと同程度と近似すると、RNCとして引かれる枚数は{(4N/6)-(4N/16.2)}x6=2.52Nとなる。
また、射撃に対して隠ぺいカードを用いる場合がある。隠ぺいカードは国籍の違いが大きいカードであるが、近似的に10枚に1枚とすると、補充として引かるカードも枚数は(0.4N)枚である。
狙撃兵は捨て札1枚毎にRNC/RPCとして2枚のカードを引きます。手札に狙撃兵が含まれる期待値は(4N/40)枚なので、狙撃兵の判定でRNC/RPCとして引かれるカードは(0.2N)枚。50%の確率で狙撃兵チェックを行と、狙撃兵チェックRNCとして(0.1N)枚が使われる。狙撃兵関係で合計(0.3N)枚を消費する。
赤6のRNCでも2枚減る。赤6のRNCは1.85%なので、射撃に用いたRNCの2.52N枚の3.7%に対応する。また修理成功の確率は64%(ライフルの場合)なので、修理に1.6枚のRNCを使う。赤6のRNCに伴うRNC/RPCの消費は(0.15N)枚になる。渡河でもRNCを使う可能性があるが、渡河カードを使うことで代表する。
以上に消費結果をまとめると、デッキはNプレーヤーターンの間に(7.37N+S)枚消費される。Sの値は6.5, 5.4, 4.3なので、Sの違いは0.15ターンに対応する。162枚のデッキで実行可能なNは、N=21.25±0.15となる。1デッキの時間はおおよそ21ターンとなる。もっとも効率良く射撃カードが回った場合でもN=17.4なので、(19±2)ターンはあることが期待できる。
塹壕構築の影響
最後に、塹壕構築の試みについて検討する。毎回、全グループが塹壕構築を試み、失敗したとすると、1ターン毎に4〜5枚のデッキを消費することになるように見える。実際は、手札の1アクションの代わりに1枚RNCを引くことになるだけなので、アクションと補充の関係は崩れないことが分かる。3グループの国は、余分に塹壕構築を試みれる。ほとんどの国にとっての第3、4グループはおまけの盾グループであり、塹壕構築に成功した後、移動することは、ほとんど無いと考えられる。そう考えると、RCN=0の確率は11%であり、9回の試行で構築できることが期待できる。つまり、塹壕構築の影響は1デッキ当たり1.22ターンの減少となり、1デッキの時間はおおよそ(18.5±2.5)ターンとなる。
ここで、注意すべきは、独国と露国の国別特徴である。独国はアクションの有無に関係なく1枚の捨て札となっているため、マクロ的にデッキ消費の観点からすると、2アクション1枚捨て札と同じに見える点である。これは、このモデルで考えている平均、1アクション1枚捨て札よりデッキ消費が1枚大きくなるため、単純に、(8.37N+S)となり、2.55ターン、1デッキの時間を短縮できる。
また、露国の場合も、(4ー捨て札)まで塹壕構築を試みれることから、マクロ的にデッキ消費の観点からすると、3アクション、1アクション2枚捨て札と同じに見える点である。露国は3グループ持つ他の国より、塹壕を捨てる可能性が高いので、デッキ消費を優先すると考えると、独国と同じ効率になり、第1デッキの時間はおおよそ(17±3)ターンとなる。独国vs露国の場合、(16.5±4)ターンまで1デッキの時間を短縮される可能性があることが分かる。
以上のように、手札となるカードは4N枚、射撃RNCのカードは(3.26±0.74)N枚、他の理由で使われるカードは(1.94±1)N枚である。第1デッキの時間は(18.5±2.5)ターンであり、±2ターンの幅は射撃機会、±0.5ターンは塹壕構築の意思に影響される。独国と露国は塹壕構築により、更に±1ターン分の時間に影響を与えることができる。
第2デッキ以降の時間
まず、第1デッキと第2デッキ以降では、デッキから取り除くカードがある。これまでの計算から、取り除くカード1枚につき0.1ターン短くなることも分かる。
次に第2デッキ以降の展開であるが、相対距離1〜2での撃ち合いが続く場合、火力が第1デッキと同程度なので、時間は第1デッキと同程度の(18.5±2.5)ターンになる。独国と露国は塹壕構築により、更に±1ターン分の時間に影響を与えることができることも変わらない。
もう1つの展開は、相対距離3以上の近距離にグループが居る場合である。相対距離3に前進した場合は2通りの展開が考えられる。1つは自軍および敵軍の射撃グループが前のデッキで人員を大きく減らしたため、火力維持のために前進する場合である。もう1つは突撃グループの勝利への前進である。単純化すると、両軍とも相対距離3でも大きな火力が得れない場合と、一方の軍は大きな火力を得れるが、他方の軍は大きな火力を得れない場合である。
両軍とも相対距離3でも大きな火力が得れない場合は、第1デッキと展開に大きな差は発生しない。但し、相対距離が近いことによりFP10以上の射撃カードが使える場合が発生する。FP12以下を射撃可能、目標グループの人数を5と考えると、使用可能な射撃カードは(4N/4.9)枚、引かれるRNCは(4N/4.9)x5=4.08Nとなる。また赤6RNCの影響は0.09N枚増加する。以上の結果より時間N=17.5となる。目標グループの人数を4とするとN=19.3になる。以上の結果より実際の時間は(18.4±1)ターンになると考えられる。
一方の軍は大きな火力を得れるが、他方の軍は大きな火力を得れない場合の解析は難しい。射撃の結果KIAが発生し易いので、目標のサイズがデッキ中に大きな幅を持つからである。また目標サイズが減少しないと、シナリオによっては一方の勝利となるこ場合もある。このことから相対距離3以内のグループの平均人数を3人、相対距離1〜2のグループを6人と考え、FP10〜FP16の射撃カードを近距離にいる目標に使用すると仮定する。また小さい火力の射撃カードは組み合わせるより、十時射撃に使われると考える。FP10〜FP16の射撃カードは10.8枚に1枚存在する。これにより、射撃のRNCは0.55N枚増加し、赤6のRNCの影響は0.02N枚増加する。この結果はN=16.5であった。侵入や白兵戦が発生する可能性もあるので、もう少し短くなる可能性があるので、おおよそ16ターンといえる。
第2デッキの時間は展開によるが、基本的な時間は(18.5±3)ターンと推定できる。これに、塹壕構築の意思の影響を加えると、(18.0±3.5)〜(17.5±4)ターンとなる。 第1デッキは、第2デッキ以降より、0.5ターン長いが、平均的には、1デッキ当たり約18ターンあると考えてよい。これはリプレイ記事のターン数と良く一致している[1-4]。
UpFrontにおける標準偏差
この章の最後に、UpFront標準偏差についてコメントしておく。誤差がガウスの誤差関数に従い、近似的に半値幅が積分幅と等しいと仮定すると、標準偏差σは枚数の多い射撃カード、移動カードで1.8枚、少ない狙撃兵カードでも1.7枚となる。
1デッキ目は、信頼性を50%とすると誤差は±1.2枚、信頼性90%では±3.0枚、信頼性99%の場合は±4.6枚となる。
2デッキ目以降は標準偏差が1.3倍に増えるため、信頼性を50%としても誤差は±1.6枚、信頼性90%で±4.0枚、信頼性99%では±6.1枚となる。
Up Frontのようなカードゲームの場合、1度引かれたカードは再登場しない。本論文ではこの部分を近似(省略)している。1度引かれたカードが再登場しないことを考えると、偏差はもう少し大きくなることを理解いておいて欲しい。
References
[1] J. Saito, et. al. : TACTICS Mgz. Jpn. No. 19, pp. 58 (1985), Scenario H : SR vs GR.
[2] D. Greenwood, R. A. Martin and K. Whitesell : General 21, pp. 18(No. 1) (1984), Scenario A : GR vs US.
[3] J. Vurnett, R. Whaley and R. A. Martin :General 22, pp. 13 (No. 2) (1985), Scenario R : US vs JP.
[4] L. Moore, S. Harvester and R. A. Martin : General 26, pp. 20 (No. 5) (1990), Scenario B : IT vs FR.
2. UP FRONT
第3章 グループ編成
第5章 手札/捨て札と連続性
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