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地球の初手

First move in the Terran Confederation

 「帝国の地勢学」で述べたように、帝国のワールド/前哨基地の初期配置に関しては、配置1「TAU CETI, EPSILON ERIDANIの各星系にワールドを、Agidda星系に前哨基地を配置」がべースとなる[1, 2]。そして本論文はDash’s clinic: Imperiumの第1回から第5回までに示した内容を基にしている[2-7]。また、地球の初期配置を固定できるので、「惑星地表ボックスに居る宇宙艦は、(敵前哨基地があったとしても、攻撃を受けることなく)移動フェイズに恒星ヘクスに移れる[8]」に従う。それとホーム・ワールドのオプションルールも適用している。

 国内のインペリウム研究[9-14]では、帝国艦隊がSOL星系とALPHA CENTAURI A / B 星系の恒星ヘクスを占領すると、地球のワールド間、前哨基地とワールドの接続が妨害され、地球の収入は20 RUとなる。また生産された地球艦隊はワールドの惑星地表ボックスに配置され、ジャンプ移動する前に恒星ヘクスの帝国艦隊と宇宙戦闘を強いられる。更に帝国艦隊がProcyon星系の恒星ヘクスを占領するだけで接続が妨害されるため、生産したモニター艦(M)が配置できなくなり、Procyon星系の要塞化(塹壕化)も進まない。このため脆弱なProcyon星系が最前線に残され、帝国の攻撃を受けることになる。これらのルールを前提としての戦略研究が進められた結果、帝国の有力戦略の1つが「艦隊封じ込め作戦」であり、地球の有力戦略の1つが「宙域確保戦略」である。このバリエーションでの戦略・戦術は先達の研究を参照すると良い[10]。

本論文のImperiumは、インペリウムセカンドエディション2019[13]とはかなり異なる展開をする。しかし戦闘のシミュレーション結果には影響がないので、日本版のプレイにも参考になる[4]。

地球の初期配置

 第1次恒星間戦争のセットアップ自由度は以外と小さい。地球は、Barnard's star星系 に前哨基地(OPM)と惑星防衛システム(PDM)、モニター艦(M)を配置することが確実な上、第1ターンは先に移動するので、1PDMの配置(Junction、Proxima centauri、SOL、ALPHA CENTAURI A か ALPHA CENTAURI Bの惑星地表ボックス)しか決める必要が無い。地上軍だけが降下兵(JT)が3通り、一般兵(RT)が5通りの合計15通りに変化する。一方の帝国地上軍は36通り(JT: 4通り、RT: 9通り)に変化するため、地球プレーヤーは地上軍の配置を決める前に、地上軍の優劣を確認する必要がある。以下、2JT4は4戦力降下兵2個師団を、3RT2は2戦力一般兵3個師団を表す略号である。

地上戦闘

 帝国プレーヤーが第1ターンに地球圏に攻勢を仕掛ける第1次恒星間戦争(ゲーム)は良く見る光景である[9, 10]。第1ゲーム(第1次恒星間戦争)の第1ターンは、帝国プレーヤーが地球圏の深くまで侵攻する最初の機会である。

 地球プレーヤーは帝国プレーヤーターン中にALPHA CENTAURI A / B 星系のワールドが征服されないように準備をする必要がある。帝国が惑星爆撃無しで1JT, 3TR(3RT)をワールドのある惑星地表ボックスに降下させた場合、地上軍の上陸期待値は、0.67JT, 1.5RT である(PDMの命中が2以下とする[16])。従って、惑星地表ボックスにWLD以外に3個師団/艦隊があれば1戦闘フェイズでの無力化をほぼ防ぐことができる。帝国艦隊がALPHA CENTAURI A / B 星系に到達できる場合に、地球プレーヤーは地球のリアクション移動/戦闘フェイズ終了時に惑星地表ボックス3個師団/艦隊を配置できれば、第2ターン開始時に受け取る第1ターンに生産された地上軍で、帝国地上軍を撃退することができる。帝国プレーヤーが第1移動/戦闘フェイズに降下した場合、地球の全地上軍(1JT, 2RT)を輸送で送りこめれば、ほぼ勝利できる。

Imperium [GDW]では無力化したワールドのある惑星地表ボックスにターン終了までワールドの防御力以上の戦力の上軍を維持しなければ征服したことにならない。ワールドを征服すると無力化がゲーム(戦争)中維持される[12, 16-19]。しかし、インペリウム セカンドエディション2019[K2]では、戦闘フェイズ終了時に1戦力以上の地上軍を保持していると、そのワールドの無力化が戦争期間中維持される[13]。

 地球前哨基地のある惑星地表ボックスの構成は次の5種類、

(a) [OPM, 1JT, 3TR]、
(b) [OPM, PDM, 1JT, 3TR] 、
(c) [OPM, 2RT, 2TR]、
(d) [OPM, PDM, 2RT, 2TR]、
(e) [OPM, PDM, 1JT, 2RT, 1TR]、

である(TRの数はOPMとPDMを除いた個数の合計が4個になるように調整してある)。両軍の地上軍を含めた組合せは、(a) と(b)がそれぞれ108通り、(c) と(d)が それぞれ180通り、(e) が540通りである。また地上軍戦力の期待値は、地球プレーヤーが降下兵(JT): 4.8戦力、一般兵(RT): 合計5.0戦力、帝国プレーヤーが降下兵(JT): 4.5戦力、一般兵(RT): 合計6.5戦力である。帝国プレーヤーはリアクション戦闘フェイズの惑星爆撃に21ミサイル力を用いることができる。PDMだけを目標として無力化できる確率は50.0 %(PDMとOPMの両方を目標として、両方を無力化できる確率は5.6 %、両方とも無力化に失敗する確率は55.6%)である。帝国プレーヤーは惑星防御射撃により建造費12.7~21.1 RU相当の艦隊を失うことになるので、第1ターンは惑星爆撃無しで降下するのが一般的である。

 (e)条件、地球OPMとPDM、1JT、2RTが配置された星系に惑星爆撃なしで降下した帝国軍の勝率は、基本的に60%未満である。帝国の勝率が70%以上となるのは、帝国にJT6がありRTの合計戦力が6以上で、且つ地球地上軍の合計が8戦力[JT4, 2RT2]の場合だけである。この場合、地球プレーヤーは全地上軍をBarnard's starに配置し、第1ターンに生産した地上軍を第2ターンに受け取り、Barnard's starの防衛に成功してから防衛領域を拡張することになる。

 Fig. 7-1(a)~(d)に惑星爆撃なしで帝国地上軍 1JT, 3TR(3RT)が降下した場合の帝国の勝率を縦軸、惑星地表ボックスを防衛する地球地上軍の合計戦力を横軸とした分布を示した。攻撃側勝利は「降下した帝国地上軍が全滅しなかった」場合である。(c)(d)の6戦力の部分が左右に分かれているのは、右が防御側[RT4, RT2]、左が防御側 [2RT3]の場合の勝率である。マーカーの塗り色は、帝国地上軍が赤: 6戦力、緑: 5戦力、青: 4戦力、黒: 3戦力の降下兵を伴って降下した場合の結果を示している。同じ塗り色のマーカーは、勝率が高い方が一般兵の合計戦力が大きいと考えてよい。

Fig. 7-1(b)において、帝国の勝率が70%以上となるのは、以下の場合である。

  1. 地球の降下兵が 4戦力
    1. 帝国降下兵が6戦力、一般兵合計5戦力以上
    2. 帝国降下兵が5戦力、一般兵合計7戦力以上
    3. 帝国降下兵が4戦力、一般兵合計9戦力

また、Fig. 7-1(d)において、帝国の勝率が70%以上となるのは、以下の場合である。地球プレーヤーは帝国の地上軍戦力を見て、Barnard's star の防衛戦力を[2RT]とするか、[1JT, 2RT]とするか決めれば良い。

  1. 地球の一般兵が3戦力2個
    1. 帝国降下兵が6戦力、一般兵合計4戦力以上
  2. 地球一般兵が3戦力と2戦力
    1. 帝国降下兵が6戦力、一般兵合計4戦力以上
    2. 帝国降下兵が5戦力、一般兵合計7戦力以上
    3. 帝国降下兵が4戦力、一般兵合計9戦力
  3. 地球一般兵が2戦力2個
    1. 帝国降下兵が5戦力以上、一般兵合計4戦力以上
    2. 帝国降下兵が4戦力、一般兵合計6戦力以上
    3. 帝国降下兵が3戦力、一般兵合計9戦力

 Fig. 7-1(a), (c)は、地球PDMの無い星系でも、JT6で守ると帝国の勝率が70%未満となっている。しかし、JT6は防御に使うよりも反撃攻勢に使う方が良い戦力である。このため地球PDMの無い星系は、帝国が全力で降下した場合、防衛できないと考えておいた方が良い。

 プレーヤーが「惑星地表ボックスにいる宇宙艦は、(敵前哨基地があったとしても、攻撃を受けることなく)移動フェイズに恒星ヘクスに移動できる」[8]と解釈する場合、地球のBarnard's star 星系のセットアップは SC [OPM, PDM, 1JT, 2RT, 3TR, M]、一択となる。これは、帝国艦隊がリアクション戦闘フェイズでBarnard's star の恒星ヘクスを占領しても、地球プレーヤーは第2移動フェイズに Barnard's star 惑星地表ボックスの地上軍を積載した輸送艦(TR)をBarnard's star からジャンプ移動でProcyon、JunctionやProxima centauriに地上軍を輸送できるからである(移動フェイズ開始時に敵宇宙艦と同じ星系ヘクスにある宇宙艦は、ジャンプ移動、亜光速移動でその恒星ヘクスから離れることができる)。

 逆に「惑星地表ボックスにいる宇宙艦が恒星ヘクスに移れるのは、戦闘フェイズの惑星地表/宇宙インタラクション サブフェイズ(もし、敵前哨基地があるなら、惑星防御射撃を受ける)と宇宙戦闘サブフェイズに味方宇宙艦に合流する場合である」[15] 、「惑星地表ボックスにいる宇宙艦が恒星ヘクスに移れるのは、移動フェイズ開始時に移動する。恒星ヘクスに敵宇宙艦がいる場合は、停止し直後の戦闘フェイズの宇宙戦闘サブフェイズに戦闘する」[13] と解釈する場合のBarnard's star 星系のセットアップは、SC [OPM, PDM, 1JT, 2RT, 3TR, M]とSC [OPM, PDM, 2RT, 3TR, M]のどちらにするかをFig. 7-1(d)に従って決めると良い。


Fig. 7-1 Attack win rate on drop to Planetary box without bombardment on all combinations of ground troops
Inside the planetary surface box are (a) OPM, 1JT, 3TR, (b) OPM, PDM, 1JT, 3TR, (c) OPM, 2RT, 2TR, (d) OPM, PDM, 2RT, 2TR. The defender is the Terran player.

PDMの命中が3以下だった昔[17-20]、「PDMは設置済でも輸送して再設置可能」とするルールで対戦したことがある[9]。対戦相手の地球は第1移動フェイズでBarnard's star [OPM, PDM, 2RT, 2TR] 、Procyon [OPM, PDM, 1JT, 3TR] としていた。この場合の地上戦闘の勝率を計算すると、地球が[OPM, PDM, JT4, 3TR]で防衛、帝国がJT6, 3TR(3RT3)で降下・攻撃しても勝率は69.1 %である。また地球が [OPM, PDM, 2RT2, 2TR] で防衛している場合、帝国の勝率が70 %以上となるのは JT5またはJT6でRTの合計が13戦力以上、地球が [OPM, PDM, RT3, RT2, 2TR] で防衛している場合、JT5またはJT6でRTの合計が14戦力以上必要となった。対戦者が経験的に得たBarnard's star と Procyon を防衛方法(ルール)であったことが推察される。

最初の1マイル

 S. Listは「初期の地球は、『戸締り』と『地球圏の安定化』の2つを目標とすることになる」と記述している[1]。「戸締り」は、帝国艦隊が地球圏への侵入を防ぎ、地球艦隊が帝国圏への進出口となる扉の管理である。地球にとって理想的な扉星系はShuruppak星系とNUSKU / Dushaam星系である。そして「地球圏の安定化」は扉の内側(地球圏)に帝国軍を侵入させないこと、前哨基地の設置による地球圏の植民とMILABILIS星系の地球ワールド化である。

 しかし、第1ゲーム(第1次恒星間戦争)を戦う地球にとっては、Procyon星系とBarnard’s star星系が扉星系である。そしてBarnard’s star星系とProcyon星系の間に広がる地球圏内に設置した前哨基地の防衛が「地球圏の安定化」になる。つまり地球プレーヤーにとって、第1ゲーム(第1次恒星間戦争)の目的の1つは「Barnard’s star星系に地球前哨基地があり、Procyon星系に帝国前哨基地が設置させない」ことであり、マップ全体を占有する形でキャンペーン(戦役)の終了を目指す場合の目標の1つである。

キャンペーンの「平和時の手順」中は、SIRIUS星系にタンカー(AO)を配置できないため、Procyon星系と帝国ワールドは接続できない。このため帝国プレーヤーは平時植民でProcyon星系に前哨基地を設置できない。Procyon星系に平時植民で前哨基地を設置できるのは地球プレーヤーだけなので、地球プレーヤーが戦争終了時に前哨基地を設置している必要もない。

 帝国プレーヤーにとっての第1ゲーム(第1次恒星間戦争)の目的とマップ全体の占有による戦役(キャンペーン)の終了だけを望む場合の第1次恒星間戦争での目標が異なることは、目的と目標に書いた[7]。しかし、帝国プレーヤーにとって「Barnard’s star星系またはProcyon星系に帝国の前哨基地を設置する」ことは、地球圏侵攻のマイル・ストーンであることは間違いない(ゲームに勝って/負けて設置するかは異なるかもしれない)。

 「接続の両端」に書いたように、インペリウム セカンドエディション2019と本論文のImperiumの「接続」ルールは異っている[6]。Imperiumの「接続」ルール下では、帝国戦闘艦がSOL星系とALPHA CENTAURI A / B 星系の恒星ヘクスを占領しても、そしてProxima centauri星系、Junction星系、Barnard's star 星系の恒星ヘクスを帝国艦隊が占領しても、ワールドと前哨基地、ワールドとワールドを接続するジャンプ・ルートの途中に接続を妨害する艦隊を配置する星系ヘクスが無いため接続が妨害されない。このため地球プレーヤーの収入は27 RUとなる(収入を減らす方法は前述の地球前哨基地や地球ワールドの征服である)。また生産された地球プレーヤーの部隊は接続されたProxima centauri星系、Junction星系、Barnard's star星系に配置できる。そして恒星ヘクスに配置した生産された宇宙艦は、配置された星系の恒星ヘクスの敵宇宙艦と戦闘することなく近隣星系にジャンプ移動することができる。つまりルール的に地球艦隊を「封じ込められる」領域は、Proxima centauri星系、Junction星系、Barnard's star星系 の前哨基地を破壊しない限り、Agidda星系とProcyon星系 - Hades星系 - Midway星系 - Loki 星系のラインになる。

 Barnard's star星系はSOL星系との間に接続を妨害する艦隊を配置する星系が無いため接続が妨害されることはない。つまり地球プレーヤーはモニター艦(M)を含む生産艦隊をBarnard's star星系に配置できるため、帝国プレーヤーに妨害されることなくBarnard's star星系の防衛を強化できる。

 地球プレーヤーが Procyon星系の防衛力を強化するには、Procyon星系に前哨基地を配置して保持し、Procyon星系の前哨基地と地球ワールドとの接続を確保してモニター艦(M)等の防御艦隊を配置する必要がある。帝国が第1ターンにProcyon星系に投入できる地上軍は最大4個師団(4個師団全てが前哨基地の惑星防御射撃を生き残り上陸できる確率は24.7%である。そして上陸部隊数の期待値は2.67個師団である)なので、例えば地球プレーヤーが第1ターンの地球のリアクション移動フェイズ にリアクション部隊として4TR(1OPM)をProcyon星系にジャンプ移動させて、Procyon星系の惑星地表ボックスを[OPM, 4TR]とすると、Procyon星系の地球前哨基地は第2ターン開始時までは確実に存在できる([OPM, 3TR]の場合は24.7 %の確率でOPMが残る)。

 帝国がProcyon星系とSOL星系、ALPHA CENTAURI A / B星系との接続を妨害するには、Proxima centauriとJunctionの両星系に戦闘艦を配置するか、Junction、Hades、Infernoの各星系に戦闘艦を配置する必要がある(星系なので、恒星へクス、惑星地表ボックスのどちらでも可)。

 詳細は後述するが、地球プレーヤーは、盤面の状況を見て、地球のリアクション移動フェイズに、Procyon星系への前哨基地設置の可否を決断することになる。

第1ゲーム第1ターン(第1次恒星間戦争)

 帝国がワールドをTAU CETI星系とEPSILON ERIDANI星系に配置し、前哨基地をAgidda星系に配置している場合、帝国プレーヤーが第1ターンに取り得る作戦は3通りである。帝国主力艦隊による「バーナード・スター突破作戦」、帝国主力艦隊による「シリウス星系突破作戦」そして帝国分艦隊による「シリウス星系威力偵察」である。以下で作戦の進行を検討する。

バーナード・スター突破作戦

 これは、帝国プレーヤーが全艦隊(2SC, 4DD, 2CL, 1CR, 1M, 4TR, 1AO)をAgidda星系に初期配置し、帝国のリアクション移動フェイズにBarnard's star星系に主力艦隊(2SC, 4DD, 2CL, 1CR, 4TR)でジャンプ移動する場合である[7]。タンカー(AO)はAgidda星系に配置する必要はない。

バーナード星系決戦戦略

 地球プレーヤーが第2移動フェイズにBarnard's star星系から出撃して「第一次バーナード星系会戦」をする。

地球第1移動/戦闘フェイズ

 地球プレーヤーは、帝国のジャンプ移動を足止めするためにBarnard's star星系に1SCを配置し、2TR(2OPM)でPerasphrs星系、Ember星系、Loki星系、Midway星系から選んだ2ヶ所に、ジャンプ移動し、戦闘フェイズに惑星地表ボックスに降下して前哨基地を設置する。残り艦隊はBarnard's star星系の惑星地表ボックスに降下して置く。

帝国リアクション移動/戦闘フェイズ

 帝国プレーヤーは全艦隊をBarnard's star星系にジャンプ移動させ、損害を受けることなく地球の1SCを除去する。

地球第2移動/戦闘フェイズ

 地球プレーヤーは帝国艦隊に退却の機会を与えないように、1TRをAgidda星系にジャンプ移動で送る。「惑星地表ボックスにいる宇宙艦は移動フェイズに恒星ヘクスに移ることができる[1]」と「ジャンプ移動は敵戦闘艦のいる恒星ヘクスに入るまでジャンプ移動を続けることができる[3]」に従うと、Barnard's star星系の惑星地表ボックスから移動を始めた輸送艦は、恒星ヘクスの帝国艦隊と戦闘することなくAgidda星系にジャンプ移動できる。必要であれば1SCをSIRIUS星系にジャンプ移動で送っても良い。

 地球プレーヤーは必ずAgidda星系の宇宙戦闘を解決する前にBarnard's star星系の宇宙戦闘を解決すること。これにより帝国艦隊がAgidda星系に退却するのを妨げることができる。

参考[4, 10]: 地球プレーヤーが帝国のジャンプ移動を足止めするためにSIRIUS星系とProcyon星系の各星系に1SCを配置した場合。
防御: 帝国(2SC, 4DD, 2CL, 1CR, 4TR) vs 攻撃: 地球(3SC, 2DD, 1CL, 1MB, 1M, 6TR)
地球勝利50 %、帝国勝利50 %(内25 %は退却勝利)。
地球勝利時の残存戦力は0.81SC, 0.38DD, 0.44CL, 0.08MB, 0.96MB, 2.2TR
帝国勝利時の残存戦力は0.73SC, 1.49DD, 1.13CL, 0.34CR, 3.3TR

「第一次バーナード星系会戦」地球勝利の場合
地球第2戦闘フェイズの続き

 戦闘解決後、Agidda星系の宇宙戦闘は地球1個艦隊除去となる(運が良いとBarnard's star星系に退却できる)。残存艦隊を見るとモニター艦、輸送艦がそれぞれ1個艦隊と2~3個の戦闘艦隊なので戦闘艦1個艦隊を残してBarnard's star星系の惑星地表ボックスに降下し、輸送艦に前哨基地を積み込む。輸送艦が2個艦隊ある場合は降下兵も積み込む。

帝国第1移動/戦闘フェイズ

 帝国残存は(1M,1AO)。帝国プレーヤーは1AOを帝国内部に移動する。戦闘はない。

地球リアクション移動/戦闘フェイズ

 地球プレーヤーはジャンプ移動で1TR(OPM)をProcyon星系に送り、前哨基地を設置する。1TR(1JT)があれば一緒にProcyon星系に送る。

帝国第2移動/戦闘フェイズ

 帝国残存は(1M,1AO)なので、帝国プレーヤーの移動、戦闘はない。

「第一次バーナード星系会戦」帝国勝利の場合
帝国第1移動/戦闘フェイズ

 帝国艦隊が地球圏に自由にアクセス可能となる。SOL、ALPHA CENTAURI A / Bの両星系の恒星ヘクスを占領されても、地球プレーヤーにはインペリウムセカンドエディション2019のようなデメリット(接続妨害や生産物の配置制限)はない[13]。また地球プレーヤーは第2ターン開始時に生産部隊を受け取り、Barnard's star、Junction、Proxima centauriの各星系で配置し、第1移動フェイズにBarnard's star星系からAgidda星系、Junction星系やProxima centauri星系からProcyon星系にジャンプ移動できる。このため帝国の残存戦力(整備不良を含めて1DD, 1CL, 3TR + 1~2個艦隊)では、地球の第2ターンのジャンプ移動を足止めすることは難しい。

 帝国プレーヤーが「第一次バーナード星系会戦」の勝利を有効に使うには、地球ワールドと前哨基地を征服し、功績を10ポイントとして、帝国勝利での休戦とするのが現実的である。
 帝国プレーヤーは、残存している輸送艦を地上軍駐留星系(主にAgidda星系)にジャンプ移動で送り、輸送で地上軍を積載し、ALPHA CENTAURI A / B星系までジャンプ移動する。1JT, 2TR(2RT)が第1戦闘フェイズに ALPHA CENTAURI A / Bの一方の惑星地表ボックスへ降下する。上陸期待値は1.67個師団なので、第2戦闘フェイズ終了まで地上軍1個師団を残すと、ALPHA CENTAURIの地球ワールドの征服に成功する(功績+4ポイント)。

Imperium [GDW]版では、後攻プレーヤーの第2戦闘フェイズにワールドを無力化した場合を除いて、少なくとも1回は相手プレーヤーに奪回の機会がある[12, 16-19]。インペリウム2019版[K2]では、その機会は無くなっている[13]。

地球リアクション移動/戦闘フェイズ

できることが無い。

帝国第2移動/戦闘フェイズ

 帝国プレーヤーは、 ALPHA CENTAURI A / B の惑星地表ボックスに降下した輸送艦に1JT(上陸した部隊にJTがない場合はRT)を積載して離陸。降下兵を積載していた輸送艦は地上軍駐留星系にジャンプ移動で戻り、残っている1RTを輸送で積み込む。両星系の輸送艦はジャンプ移動をつづけProxima centauri星系に移動する。そして第2戦闘フェイズに Proxima centauri星系の惑星地表ボックスに降下する。上陸期待値は1.22個師団なので1個師団が上陸し、地球前哨基地の征服(破壊)が期待できる(功績+1ポイント)。
 これで功績10ポイントとなり、帝国勝利での休戦となる。

地球が「第一次バーナード星系会戦」 に12~20 %の確率で負けるとゲーム・エンドであるが、私はこの確率は許容できると考えている。

宙域確保戦略

 中村が「第一次バーナード星系会戦」の勝敗にゲームの行方を左右されないように提案したのが「宙域確保戦略」である[10]。しかし本論Imperiumの「接続」ルールのもとでは安全宙域を確保する必要性はあまりない[6]。また地球プレーヤーが勝率80%を越える「第一次バーナード星系会戦」を回避する必要性もあまり感じられない。逆に帝国プレーヤーが違う方法を検討することになると考えられるが、ここでは「宙域確保戦略」を用いた場合のメリット/デメリットを確認する。尚、地球プレーヤーは勝率80~88 %の宇宙戦闘を避けているため、基本的に反撃しないとして検討を進める。

「宙域確保戦略」では、帝国の最大進出範囲は、Proxima centaurin - Junction - Procyonの星系ラインである。この中に守るべき惑星地表ボックスはALPHA CENTAURI A / B、Proxima centaurin、Junction、Barnard's starの5ボックスである。1JT, 3TR(3RT)が惑星爆撃無で降下した場合、ALPHA CENTAURI A / B の惑星地表ボックス[WLM]への上陸期待値は各2.17個師団、JunctionとBarnard's starの惑星地表ボックス[OPM, PDM]へは各2.03個師団、Proxima centaurinの惑星地表ボックス[OPM]へは2.83個師団なので、ワールドと前哨基地を1戦闘フェイズだけ安全に防衛するとしても、WLMとOPM以外に期待値合計で11.23個師団/艦隊、端数切り上げて合計すると15個師団/艦隊を必要とする。帝国のジャンプ移動を足止めする星系は、Barnard's stars、SOL、ALPHA CENTAURI A / B、Proxima centaurin、Junction、Procyon、SIRIUSなので、足止めに7個艦隊を必要とする。つまり防衛に合計22個師団/艦隊を必要とし、地球プレーヤーはモニター艦を含めて17個艦隊、PDMを含めて5個師団の合計22個師団/艦隊を持っている。つまり全てをつぎ込み、惑星防御射撃の命中が期待値であれば、防衛できることを示唆している。例えば、次のように配置を進める。

地球第1移動/戦闘フェイズ

 地球プレーヤーは、帝国のジャンプ移動を足止めするためにBarnard's star星系に1SCを配置し、3TR(3OPM)でPerasphrs星系、Ember星系、Loki星系、Midway星系から選んだ3ヶ所に、ジャンプ移動し、戦闘フェイズに惑星地表ボックスに降下して前哨基地を設置する。残り艦隊はBarnard's star星系の惑星地表ボックスに降下して置く。

帝国リアクション移動/戦闘フェイズ

 帝国主力艦隊はBarnard's star星系にジャンプ移動し、損害を受けることなく地球の1SCを除去する。

地球第2移動/戦闘フェイズ

 地球プレーヤーはBarnard's stars星系の惑星地表ボックスからSIRIUS、Procyon、SOL、ALPHA CENTAURI A / Bの各星系に帝国のジャンプ移動を足止めするために1SCをジャンプ移動させる。Barnard's stars星系の惑星地表ボックスに(1M, 1SC)を残して、地上軍を積載した輸送艦と残りの戦闘艦(2DD, 1CL, 1MB)はALPHA CENTAURI A / B星系にジャンプ移動し、恒星へクスに1SCを残してALPHA CENTAURI Aの惑星地表ボックスに降下する。前哨基地の設置を終えた輸送艦はALPHA CENTAURI A / B星系にジャンプ移動し、ALPHA CENTAURI Bの惑星地表ボックスに降下する。

帝国第1移動/戦闘フェイズ

 帝国艦隊は Barnard's star星系で「辺境地での整備」をする。帝国艦隊に整備不良艦隊が発生しない確率はCR, 2CL: 8.3 %、4DD: 1.2 %である。SC, TRで1個艦隊、DD, CL, CRで3個艦隊の整備不良が出ることが期待される。

 帝国プレーヤーは、SIRIUS星系にタンカー(1AO)、2SC(整備不良: 可)と整備不良でない2DDをジャンプ移動させて、地球1SCを排除する。

 Barnard's star星系に進出した帝国艦隊で整備不良になったDDと巡洋艦をジャンプチェックしてSOLとALPHA CENTAURI A / Bの各星系に1個艦隊ずつジャンプ移動させる。整備状態のDDと巡洋艦もSOLとALPHA CENTAURI A / Bの各星系にジャンプ移動させ、整備不良だけで構成される艦隊とならないように編成し、地球1SCを排除する。

地球リアクション移動/戦闘フェイズ

 地球プレーヤーはALPHA CENTAURI Aの惑星地表ボックスの艦隊をリアクション部隊して、輸送艦から地上軍を降ろし、Proxima centaurin星系に(1DD, 3TR)、Junction星系に(1DD, 1CL, 1MB)をジャンプ移動させる。続く戦闘フェイズに、Proxima centaurinの惑星地表ボックスに3TRを降下させ、Junctionの惑星地表ボックスに1CL, 1MBを降下させる。

 帝国プレーヤーがBarnard's star、ALPHA CENTAURI A / Bの惑星地表ボックスのどれかに地上軍を降下させている場合、地上軍をALPHA CENTAURI Aの惑星地表ボックスに降ろさずに、攻撃を受けている星系にジャンプ移動させ、地上軍を惑星地表ボックスに輸送する。これにより惑星防御射撃を受けて数を減らした帝国地上軍を撃退できる。また帝国の第2移動/戦闘フェイズに帝国地上軍による惑星地表ボックスへの降下攻撃がないので、1CL, 1MBは地球の第1移動/戦闘フェイズに設置した前哨基地のある星系にジャンプ移動する。

 以上のように、足止めが必要な恒星へクス、防御が必要な惑星地表ボックスに必要最低限の部隊が配置することができる。しかし「宙域確保戦略」では、WLM / OPMを征服されるリスクを無くすことはできない。

シリウス星系突破作戦

 帝国プレーヤーがシリウス圏の拠点星系(例えばShuruppak星系)とAgidda星系に艦隊を分けて初期配置し、帝国のリアクション移動フェイズにSIRIUS星系にジャンプ移動する場合である[14]。分艦隊がリアクション移動フェイズにジャンプ移動しない場合、分艦隊をシリウス圏に配置する意味は、注意を引く以外に無い。ここではシリウス圏の艦隊の規模により「威力偵察」と「強襲」の2つに分けて考える。「威力偵察」は、分艦隊の規模が戦闘艦3個艦隊以下、「強襲」は、分艦隊の規模が戦闘艦4個艦隊以上の場合である。

威力偵察

 「威力偵察」は、地球プレーヤーが反撃可能な規模の帝国艦隊が進出した場合である。地球プレーヤーがSIRIUS星系への反撃に使える艦隊は最大で(1SC, 2DD, 1CL, 1MB, 3TR) である(Barnard's star、SOL、ALPHA CENTAURI A / B、Procyonの各星系に1SCと、SIRIUS星系で損失した1SCと地上軍/前哨基地を輸送するTRを除く)。地球プレーヤーがSIRIUS星系に進出した4個艦隊の帝国艦隊と宇宙戦闘をした場合の結果は、次の通りである。

 地球艦隊が勝率80 %以上で撃退可能な帝国艦隊は3個艦隊以下と(1SC, 3DD)である。3個艦隊以下の場合の宇宙戦闘例も以下に示す。

 地球プレーヤーがSIRIUS星系に進出した帝国艦隊に反撃しない場合は、後述の「強襲」への対応が参考になる。ここでは、SIRIUS星系の帝国艦隊に反撃する場合を時系列に検討する。

地球第1移動/戦闘フェイズ

 地球プレーヤーは、帝国のジャンプ移動を足止めするためにBarnard's star星系、SIRIUS星系に1SCを配置。2TR(2OPM)をPerasphrs星系、Ember星系、Loki星系、Midway星系から選んだ2星系にジャンプ移動させて、続く戦闘フェイズに惑星地表ボックスに降下させて前哨基地を設置する。残り艦隊はBarnard's star星系の惑星地表ボックスに降下する。

帝国リアクション移動/戦闘フェイズ

 シリウス圏の帝国艦隊はSIRIUS星系にジャンプ移動し、損害を受けることなく地球1SCを除去する。

地球第2移動/戦闘フェイズ

 地球プレーヤーは勝率80%以上で帝国艦隊を撃破できるように迎撃艦隊を選択し、SIRIUS星系にジャンプ移動する。Barnard's star星系の恒星ヘクスに1SC、そしてSOL、ALPHA CENTAURI A / B、Procyonの各星系に配置する計3SCと4TRはBarnard's star星系の惑星地表ボックスに配置し、輸送艦に全地上軍と前哨基地を積載する。地球の迎撃艦隊と帝国の分艦隊の間で「第一次シリウス星系会戦」が発生する。

帝国第1移動/戦闘フェイズ

 帝国艦隊は Agidda星系で「辺境地での整備」をする。帝国艦隊に整備不良艦隊が発生しない確率はCR, 2CL: 22.2 %、4DD: 48.2 %である。
シリウスの地球艦隊が1個艦隊(軽巡以外の)の場合
 帝国プレーヤーは、SIRIUS星系とBarnard's star星系に艦隊を派遣し恒星へクスを占領する。
シリウスの地球艦隊が軽巡1個艦隊または2個艦隊以上の場合
 帝国プレーヤーは、Barnard's star星系に艦隊を派遣し恒星へクスを占領する。

地球リアクション移動/戦闘フェイズ

 地球プレーヤーは帝国のジャンプ移動を足止めするため、 Barnard's star星系の惑星地表ボックスの艦隊を、(Barnard's starの恒星へクスが帝国占領下なら) SOLとALPHA CENTAURI A / B、(SIRIUS星系が帝国占領下なら) Procyonの各星系に1SCをジャンプ移動させる。さらに、降下兵以外の積荷を下ろした5TRをALPHA CENTAURI A / B星系にジャンプ移動させ、戦闘フェイズにALPHA CENTAURI A [WLD, 1JT, 2TR] / ALPHA CENTAURI B [WLD, 3TR]となる様に各惑星地表ボックスに降下させる。これで帝国第2移動/戦闘フェイズに攻撃可能な地球ワールドと地球前哨基地は、惑星防御射撃が大きく外れない限り、第1ターン中に征服されることはない。

 もしモニター艦(M)を含む地球艦隊でBarnard's star星系にジャンプ移動してきた帝国艦隊を撃退可能であるなら、退却妨害としてAgidda星系に1TRをジャンプ移動させて、Barnard's star星系の帝国艦隊にモニター艦を含む地球艦隊で反撃する。帝国艦隊に整備状態の2個巡洋艦以上が含まれていなければ、高い確率でBarnard's star星系の帝国艦隊を全減させることができる。この場合、ALPHA CENTAURI A / Bの惑星地表ボックス防衛が不要となるため、前哨基地を積荷とする輸送艦と空荷の輸送艦3個艦隊(4TR(1OPM))をProcyon星系にジャンプ移動させ、続く戦闘フェイズに4TR(1OPM)をProcyon星系の惑星地表ボックスに降下させ前哨基地を設置する。

帝国第2移動/戦闘フェイズ

 帝国プレーヤーは第2ターンの地球第1移動フェイズに対応する防御体制を構築する必要がある。Barnard's star星系は、帝国が恒星ヘクスを占領していても星系内に生産部隊が配置され、Agidda星系にジャンプ移動可能となるため、Agidda星系のモニター艦(M)を地球のジャンプ移動を足止めするために使うか、惑星地表ボックスに置くか、決める必要がある。モニター艦を反撃に使う場合も、地球艦隊が多数の場合、ミサイル艇やビーム射撃で撃破され易いので注意が必要である。つまり、地球プレーヤーは第2ターンの地球第2移動フェイズにはNUSKU / Dushaamに到達できる可能性がある。

 Procyon星系に前哨基地が設置されていると、帝国艦隊が恒星ヘクスを占領していても星系内にモニター艦を含む生産部隊が配置される。さらにSIRIUS星系にジャンプ移動可能なため、帝国第2移動フェイズ中にタンカー(AO)をSIRIUS星系からジャンプ移動させておく必要がある。

シリウス星系強襲

 「強襲」は、地球プレーヤーが反撃困難な規模の帝国艦隊が進出した場合である。帝国艦隊がリアクション移動の起点をShuruppak星系すると3ジャンプ先がProcyon星系となる。地球プレーヤーがProcyon星系での反撃を考えて、SIRIUS星系、Procyon星系に戦闘艦を配置しない場合がある。これに対応するためEPSILON ERIDANI星系に艦隊を初期配置するのも良い手段である。

 地球プレーヤーがSIRIUS星系に進出した4DDの帝国艦隊と宇宙戦闘をした結果は、先に示したように、地球勝利73 %、帝国勝利23 %、引き分け4 %なので、帝国艦隊の勝率を上げるために、帝国艦隊に+1SCする。この場合の宇宙戦闘結果は次の通り。

 帝国プレーヤーにはAgidda星系に(1SC, 2CL, 1CR, 1M, 4TR)の艦隊が残っている。地球プレーヤーには第1移動/戦闘フェイズにAgidda星系の帝国艦隊を攻撃することもできる。宇宙戦闘の結果は次の通りである。

 私にはAgidda星系、SIRIUS星系の帝国艦隊を攻撃する勇気を持てない。以下、時系列に検証する。

地球第1移動/戦闘フェイズ

 地球プレーヤーは、帝国のジャンプ移動を足止めするためにBarnard's star星系、SIRIUS星系に1SCを配置。2TR(2OPM)をPerasphrs星系、Ember星系、Loki星系、Midway星系から選んだ2星系にジャンプ移動させて、続く戦闘フェイズに惑星地表ボックスに降下させて前哨基地を設置する。残り艦隊はBarnard's star星系の惑星地表ボックスに降下する。

帝国リアクション移動/戦闘フェイズ

 シリウス圏の帝国艦隊はSIRIUS星系にジャンプ移動し、損害を受けることなく地球1SCを除去する。

地球第2移動/戦闘フェイズ

 地球プレーヤーは帝国のジャンプ移動を足止めするため、ProcyonとInfernoの2星系に1SCをジャンプ移動させる(Barnard's star星系は配置済み)。残りの(2SC, 2DD, 1CL, 1MB, 1M, 6TR)をBarnard's star星系の惑星地表ボックスに配置する。輸送艦は前哨基地を積載する。Junction、HadesへのSC配置はリアクション移動フェイズである。

帝国第1移動/戦闘フェイズ

 帝国艦隊は SIRIUS星系とAgidda星系で「辺境地での整備」をする。帝国艦隊に整備不良艦隊が発生しない確率はCR, 2CL: 22.2 %、4DD: 19.8 %である。Agidda星系で巡洋艦1個艦隊、SIRIUS星系でSC、DDで1.5 個艦隊の整備不良が出ると期待される。

 帝国プレーヤーは、SIRIUS星系にタンカーをジャンプ移動させて停止する。それからSIRIUS星系にいる帝国艦隊をProcyon星系にジャンプ移動させ、1SCを排除する。Agidda星系の艦隊は整備不良艦を除く艦隊でBarnard's star星系に進出する。

 Barnard's star星系に進出しない/小規模艦隊での進出の場合、地球プレーヤーはリアクション移動/戦闘フェイズで、モニター艦を使ってBarnard's star星系の恒星ヘクスを解放し、Procyon星系に主力艦隊で反撃して、Procyon星系に前哨基地を設置することになる。

1. 二星系防衛
地球リアクション移動/戦闘フェイズ

 最初にBarnard's star星系とProcyon星系の両方に反撃する場合を確認する。Barnard's star星系から1TRをAgidda星系ジャンプ移動させて、帝国艦隊の退却を妨害する。その上でBarnard's star星系での宇宙戦闘結果は、次の通り。

残りの艦隊でProcyon星系の帝国艦隊を攻撃した場合の宇宙戦闘結果を以下に示す。シミュレーション・プログラム[4]が整備不良艦をサポートしてないので、2通りの計算をした。この結果は地球プレーヤーが両方の星系を守るのには幸運が必要なことを示している。

2. プロキオン星系防衛
地球リアクション移動/戦闘フェイズ

 地球プレーヤーがProcyon星系の防衛を優先する場合、地球は帝国のジャンプ移動を足止めするため、Barnard's star星系からSOLとALPHA CENTAURI A / Bの各星系に1SCをジャンプ移動させる。一般兵2個師団を積荷した輸送艦と空荷の輸送艦2個艦隊はALPHA CENTAURI A / Bにジャンプ移動し、ALPHA CENTAURI Aに一般兵2個師団を輸送する。更に続く戦闘フェイズに ALPHA CENTAURI Aに1TR、ALPHA CENTAURI Bに3TRを降下させる。これで、ALPHA CENTAURI A [WLD, 2RT, 1TR] / ALPHA CENTAURI B [WLD, 3TR]とする。これで帝国第2移動/戦闘フェイズに攻撃可能な地球ワールドと地球前哨基地は、惑星防御射撃が大きく外れない限り、第1ターン中に征服されることはない。

 残りの地球艦隊(2DD, 1CL, 1MB, 2TR)がProcyon星系で帝国艦隊と宇宙戦闘をする。シミュレーション[4]が整備不良艦をサポートしてないので、2通りの計算結果を示した。この結果は、Procyon星系の防衛がかなり困難であることを示している。

3. バーナード星系防衛
地球リアクション移動/戦闘フェイズ

 地球プレーヤーがBarnard's star星系の防衛を優先する場合、地球は帝国のジャンプ移動を足止めするため、Barnard's star星系からJunctionとHadesの各星系に1SCをジャンプ移動させる。また、1TRをAgidda星系にジャンプ移動させて、帝国艦隊の退却を妨害する。前哨基地を積荷とする輸送艦は、Perasphrs星系、Ember星系、Loki星系、Midway星系の1ヶ所に前哨基地を設置する。

 残りの地球艦隊(2DD, 1CL, 1MB, 1M, 4TR)は、Barnard's star星系の恒星ヘクスにいる帝国艦隊と宇宙戦闘をする。帝国の巡洋艦は1個艦隊程度が整備不良となるが、ここでは帝国艦隊の最大値として全巡洋艦隊が整備状態としての宇宙戦闘結果を示す。

 Agidda星系の1TRは退却を試みる(5/6で除去される)。生き残った地球艦隊は、帝国のジャンプ移動を足止めする1個艦隊を残してBarnard's star星系の惑星地表ボックスに降下する。

帝国第2移動/戦闘フェイズ

 帝国艦隊は Procyon星系の(1SC, 3DD, 1DD)とAgidda星系の整備不良艦とモニター艦が残存艦隊となる。第2ターンの地球の攻撃は、Barnard's star星系とJunction星系が起点となる。帝国の現有戦力で守る範囲は、Agidda星系、NUSKU / Dushaam星系、SIRIUS星系、EPSILON ERIDANI星系とMarkhashi星系の5星系である。一方でJunction星系、Hades星系、Inferno星系の1SCを排除するとEPSILON ERIDANI星系とMarkhashi星系が防衛範囲から外れる。残存艦隊数を考えて、Procyon星系から前進するか、止まるかを決定する必要がある。

 以上検討したように、本論文のImperiumでは帝国プレーヤーが「シリウス星系強襲」以外の作戦を用いると、地球プレーヤーは第1ターン中に前哨基地をProcyonに設置し、第2ターン開始時にモニター艦を配置してBarnard's star星系と合せた地球圏の戸締まりを完成する可能性が高い。帝国プレーヤーが「シリウス星系強襲」作戦を用いた場合でも、第1ターン終了時の帝国艦隊の艦隊数が少なく、地球プレーヤーが第2ターン中にProcyon星系に前哨基地を設置し、第3ターン開始時にモニター艦を配置して戸締りを完成する可能性が高い。地球プレーヤーは本論文のImperiumでようやく第1ターンの危機を高い確率で脱することができる。

 インペリウムで第1次恒星間戦争(第1ゲーム)の勝敗を争う場合、Procyon星系に前哨基地を設置しない場合が良くある[9]が、本論文のImperiumでは地球モニター艦を帝国艦隊の退却を妨害して用いることが容易なこと、地上戦闘でも生産した地上軍を配置できること等から、Procyon星系に前哨基地を設置する方が、帝国プレーヤーに功績ポイントを与えるデメリットよりも、ゲームを安定して進められるメリットの方が大きくなったと考えている。

 キャンペーン(戦役)では、「地球圏の戸締まり」の後、更にゲーム(第1次恒星間戦争)終了後の平時生産のために、資源/艦隊の備蓄をする必要がある。

第1ターンの生産

 最後に第1ターンの生産を検討する。第1ターンの生産はターンの最初にするが、受け取るのは第1ターンの結果が反映された第2ターンの最初である。つまり第2ターンに必要な戦力を考えて、第1ターンの生産へフィードバックする必要がある。

地球の生産

 前述「第1ゲーム(第1次恒星間戦争)第1ターン」での検討から、帝国プレーヤーが「シリウス星系強襲」以外の作戦を用いると、第2ターン開始時にはProcyonの地球前哨基地と地球ワールドが接続し、「シリウス星系強襲」作戦を用いた場合でも、第3ターン開始時にはProcyonの地球前哨基地は接続できている可能性が高い。初期配置が「シリウス星系強襲」の場合は第3ターン、それ以外では第2ターンに生産からモニター艦を受け取り、Procyon星系に配置したい。

 S. Listは12 RUで1M、1AO、1RT、1JT、前哨基地(OPM)1個の生産をを勧めている[1]。退路のない星系に出撃してくる地球のモニター艦は強力である。「第1次恒星間戦争第1ターン」の検討で前哨基地をProcyon星系に設置できる場合はモニター艦(M)を配置できるように生産しておくのは当然としても、Barnard's star星系に追加で1個艦隊配置しても良い位である。従って、第1ターンの生産にモニター艦を入れるのは非常に良い選択と言える。またシリウス圏に圧力をかけるためにもSIRIUS星系を通過可能とするタンカー(AO)を生産することも必須である。

 降下兵も必ず生産する必要がある。もし、盤上の降下兵の戦力が4以下でかつ生産した降下兵の戦力も4以下なら、必ず降下兵をもう1個師団生産しなければならない。戦力5~6の降下兵は、機動防御する場合に惑星地表ボックスの敵地上軍を排除するのに必ず必要となる。5~6の降下兵を生産できたなら、一般兵を1個師団生産すると良い。また、地上軍は、毎ターン1個師団は生産しておくと、地上戦闘の救援部隊として配置できるので良い。

 西山が指摘するように、地球プレーヤーが未設置の前哨基地を持っていると帝国プレーヤーにNUSKUの惑星地表ボックスに設置されるリスクを意識させることができる[14]。しかし帝国プレーヤーがベテランならこのようなリスクを発生させないと考えられる。また帝国が戦役(キャンペーン)を重視し、直訴でゲーム(第1次恒星間戦争)を早く終了させるプレーヤーの場合、第1ターンに生産した前哨基地を第2ターンに設置しても、休戦の第4ターンまでで2 RUしか資源を産出しないため、ゲーム中に投資を回収できない。この場合は前哨基地の生産を平和時の生産まで待ち、前哨基地に用いる資源を他の目的に使用し、第4ターン に6 RU残せるようにした方が効率的である。このため私は前哨基地を第1ターンの生産リストに入れていない。

 S. Listは残りの15 RUで2MB、2F、2SCの生産を勧めている。私は偵察艦(SC)と輸送艦(TR)、戦闘機(F)は同数を生産することを勧める。宇宙戦闘における地球の勝率は地球TRが地球SCの1.0~1.5倍の範囲内では増加するが、TRが多過ぎると反って低下するからである。TRは輸送母艦戦術で母艦(MS)の代わりとして使用するするため、母艦(MS)の必要性は低い。MSはSIRIUS星系から先のシリウス圏等、帝国勢力圏での作戦行動で必要とする艦種なので、2ターン以降の生産で間に合う。
 ミサイル艇(MB)は基本的にF、DD以上の排除に必要なので、毎ターン1個艦隊は生産した方が良い。これらをもとに、地球の第1ターンの生産として、以下を勧める。

「第1次恒星間戦争第1ターン」での検討結果は国内インペリウムで検討されている展開とは異なる[10, 11-14]。そのため国内での生産に関する提案を参考として以下に示す[10, 14]。
1. AO、5SC、5F、 1MB、2JT、2TR、Mの整備に3 RU
2. AO、3SC、1DD、5F、1MB 、3TR、1MS
3. AO、5SC、6F、1JT、2MS

 

帝国の生産

 帝国プレーヤーは、1個師団の地上軍を生産する必要がある。これは征服されそうな帝国前哨基地/ワールドへの増援とすることができる。5~6戦力の降下兵(JT)は地球の前哨基地を征服するために使用するので、早い時期に生産しておきたい。

 地球プレーヤーはSC、TR、Fで数的優位を作るが、地球CRやBBが建造されなければ、帝国艦隊は80 %程度の数的不利は第1ラウンドのミサイル射撃で取り戻せる。また帝国艦隊のTRは地球のTRの半分程度しか宇宙戦闘の勝敗に影響しない(地球TRの増減は勝率最適化時に±5 %程度影響する)。地上軍と前哨基地を輸送できる数のTRを生産したら多くのSC、DDを生産した方が良い。第1ターンは残り資源でDDを生産する。戦闘機はAgidda星系の防衛に使えるが、ジャンプ可能戦闘艦がある程度揃ってからの方が良いので、第2ターンでの生産を勧める。地球プレーヤーがCRを建造している場合はTRも建造し、数的優位を作り、多数のDDや巡洋艦を地球CRに当てられるようにする必要がある。

 帝国プレーヤーによってはDushaamの惑星地表ボックスに設置する前哨基地(1OPM)を生産すると思う。DushaamにOPMがあるメリットはNUSKU / Dushaam星系に戦闘機(F)を含む多数の戦闘艦を配置する必要がある、配置2、配置3の場合である。配置1のゲームではAgidda星系にFが積まれ、NUSKU / Dushaam星系の艦隊はリアクション部隊である。NUSKU / Dushaam星系からリアクション移動で到達できるのはSOL星系迄だがBarnard's star星系を通過できる状況ならばリアクション部隊はAgidda星系に配置される。Barnard's star星系に反撃するのであればApishal星系を出発星系としても問題は無い。つまりAgidda星系が征服されない限り、Dushaamの惑星地表ボックスに急いで前哨基地を設置する必要性は少ない。

 帝国プレーヤーがキャンペーン(戦役)を重視し、直訴でゲーム(戦争)を早く終了させる場合、前哨基地の設置は、投資を回収できない上に、功績の失点源となるので生産する必要はない。平時生産で作り、平時植民で設置すると良い。
 第1次恒星間戦争(ゲーム)の勝敗を争う場合、前哨基地の生産は第1、2ターンとし、帝国圏内に深くに第3ターンまでに設置したい(第4ターンから資源を産出し、第7ターンで回収完了)。帝国プレーヤーはゲーム終了ターンの最後に移動できるので、可能であるなら、Procyonの惑星地表ボックスに前哨基地を設置して休戦としたい。戦役(キャンペーン)なら地球圏への入ロとなり「終りの始まり」のマイル・ストーンとなる。第1次恒星間戦争(ゲーム)でのProcyon星系への帝国前哨基地設置は、例え功績5ポイントで帝国プレーヤーが敗北したとしても、地球プレーヤーに大きな敗北感を与えることになる。ここでは帝国プレーヤーの第1ターンの生産として以下のリストを勧める。


戦闘艦

 各宇宙艦の能力に関しては、P. Kosnettの論文が参考になる[21]。P. Kosnettは「地球CSは、地球MBよりもわずかに強力だが、購入と維持には多くのコストが必要である。地球CRは充実しているが、地球Bと比較して、それほど安価ではなく、撃破される可能性も高い。そして小型艦の任務には高価すぎるし、大規模な攻撃の先陣を切るには弱すぎる」として地球CS~CRは不要と述べている。私はモンテカルロ・シミュレーション作成時にスクリーン力6と7の地球艦の違いは帝国主力艦による攻撃と帝国CSの集中ミサイル射撃では16.7%の違いがあるが、他の攻撃では撃破の確率が同じであること、スクリーン力8と9の地球艦の違いは帝国CRのミサイル射撃と帝国CLの集中ミサイル射撃でしか差が無いことから、戦闘組作成アルゴリズムが似た形となった。地球の巡洋艦と主力艦の生存率はCL<CR≦B<BBとなることから、地球CRと地球Bの違いは攻撃力にある。地球CRでは帝国主力艦に対して弱いが、地球Bは互角である。 このため、P. Kosnettの地球CRに対する見解に同意する。地球プレーヤーはCRを建造するのであればBを建造する方が良く、Bを建造するのであれば、BBを建造する方が更に良い。

 スクリーン力8の帝国艦は、地球自慢のビーム射撃(ビーム力6以下)で撃破できないため、スクリーン力7以下の帝国艦(巡洋艦、モニター艦)とは一線を画す防御性能となる。建造許可が必要な帝国艦の戦闘力は、CR<<B1≦B2<BBと考えられるので、CRの建造許可が一番の外れである。B1とB2は額面的にはB2が優れているが、その差は地球CRの近接攻撃に対する防御射撃でしか有効に使えない。帝国プレーヤーは帝国BBかあると地球BBに対しても優位になれるが、B1でも地球BBと長距離での戦闘は互角である。帝国プレーヤーには補充もあるのでB1が建造できれば、大きな問題は生じない。

 DDとCLに関してP. Kosnettは、「基本的な戦闘ユニットで、3〜4ユニットのDDとCLが防衛や襲撃のための分艦隊を形成する。地球CLはミサイルが弱いが、ビームの強さには定評があり、スクリーン力強化のために費やしたCLの3RUは適当である」として、地球CLへの評価が以外と高い。中村の「インペリウム100年戦争史」では、地球DDが最後に登場し、地球CLを使わないで論を閉じている[10]。この点からも地球CLは使い難い艦であると言える。私の地球CLへの評価は、同数以下の敵に対する勝率は良いが、多数の敵との勝率が極端に低い。つまり攻撃に使えるが、防御に向かない艦と考えている。モンテカルロ・シミュレーション・プログラムを作成中に、帝国Mと地球CLの強弱関係が、地球Mと帝国CLの強弱と似ていることに気がつき、地球CLの任務に帝国Mの破壊を追加した。CLの使い方については、まだ改善できる可能性がある。

 地球型モニター艦に関してP. Kosnettは、 帝国型モニター艦と比較して「地球型モニター艦を作っても、その前にはドレッドノートか大量の巡洋艦を除いて何も置かれない」と低い評価をしている。しかし、F. ChadwickがP. Kosnettのレビューに対して、「戦闘艦の能力評価にはほぼ同意するが、地球型モニター艦を帝国型モニター艦と比較しての批判には異論がある」として、わざわざ地球型モニター艦の有用性を主張している[22]。しかし内容は論文にする程かなと思っていた。当初、私も地球型モニター艦の有用性に疑問を持っていた(F. ChadwickがImperiumについて書いた論文はこれ1報だけである)。2回目のパラダイムシフトで「惑星地表ボックスのモニター艦が合流して宇宙戦闘が可能」となり、ある程度の有用性が理解できた[10]。しかし帝国は地球艦隊の長距離攻撃力の弱さを利用して退却するため、F. Chadwickが言うほど強力だとは感じてなかった。今回、「移動フェイズに惑星地表ボックスから恒星ヘクスに移りジャンプ移動する[8]」ことで敵艦隊の退却を妨害すると、小型艦に対する地球型モニター艦の無敵さが健在化し、F. Chadwickが論文にしてまで強調したかった強さを感覚的にも理解できたと思えた。


宇宙戦闘の勝率は試行回数N = 10000のモンテカルロ・シミュレーション[4]の結果である(Ver. 3.1.5)。また、Fig. 7-1は「帝国の地勢学」に示した結果を利用している[2]。

References

[1] S. List : GRYPHON #1, pp.6 (1980).
[2] K. Ueda: Dash's clinic: Imperium "Imperium Geopolitics" (2022).
[3] K. Ueda: Dash's clinic: Imperium "FAQ of Imperium" (2005).
[4] K. Ueda: Dash's clinic: Imperium "Estimate space combat results" (2021).
[5] K. Ueda: Dash's clinic: Imperium "Fighter Transporter" (2021).
[6] K. Ueda: Dash's clinic: Imperium "Both ends along jump routes for connection" (2021).
[7] K. Ueda: Dash's clinic: Imperium "Milestone and goal" (2021).
[8] M. W. Miller: The Dragon #20, pp.4, pp.28, pp.31, III(No.6)(1978).
[9] Private game matches and post-game analysis with other clubs member since 1986.
[10] T. Nakamura: Game Journal Jpn. Ed.No.10, pp.1 (1993), No.11, pp.9 (1993), No.12, pp.17 (1993),
reprint: Game Journal Jpn. Ed. No.1, pp.50 (2001), No.2, pp.50 (2002), No.3, pp.46 (2002).
[11] I. Nakao: TACTICS Mgz. Jpn. No.20, pp.21 (1985).
[12] Imperium rules booklet (Kokusai-tushin Co., Ltd.: 2001).
[13] Imperium rules booklet (Kokusai-tushin Co., Ltd.: 2019).
[14] T. Nishiyama: Privet website (since 2001). URL://www.geocities.jp/aokigaryou/
[15] Private discussion using e-mail since March 25, 2005.
[16] Imperium rules booklet (GDW: 1990).
[17] Imperium rules booklet (Conflict Game Co.: 1977).
[18] Imperium rules booklet (GDW: 1979).
[19] Imperium rules booklet (HobbyJAPAN CO., Ltd.: 1982).
[20] Imperium rules booklet (HobbyJAPAN CO., Ltd.: 1985).
[21] P. Kosnett: The Grenadier #1, pp.9(No.2) (1978).
[22] F. A. Chadwick: The Grenadier #1, pp.15(No.2) (1978).


 かなり昔のことだが、高濱氏から「松家氏が『インペリウムをゲームバランスの観点から駄作呼ばわりさせないためにも、なんらかの形で(初心者指南のために)初期移動の定石研究・紹介をするべきである』との話をしているので、インペリウムの初期移動の定石とかありませんか」との質問をもらった[9]。その時から第1ターンの移動/戦闘に関する研究を本格的に始めた。時間はかかったが、初期移動の研究結果を Dash's clinic: Imperiumで示すことができたと思う。

1. Imperium
第6回 帝国の地勢学
第8回 存亡の機を越えて
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